2020年12月1日火曜日

まず両眼視する→頭から動く

 小松先生のコメント。視えないことによる二次的な問題について。

像を融合させるために必要な努力は……

私たちの全身の動きは、「まず頭が動く」ところから始まりますが、頭が動く前に眼が動くのが基本となります。視ることにより、後頭下筋群が反応します。

後頭下筋群

後頭下筋群は筋紡錘密度が非常に高く、視覚や前庭覚と統合する固有受容器(センサー)として中枢神経系との感覚運動制御に関与しています。多数の筋紡錘(きんぼうすい)によって、身体のGPS的な機能を発揮します。

顔が前に出ている状態になると、後頭部の頭と首の付け根の部分が強く折れ曲がる(反る)ことになります。椎骨動脈が圧迫を受け血流が悪化し、頸性眩暈が起きやすくなるそうです。小脳の主動脈につながるため、不活性状態に陥ります。小脳は運動制御のほか、短期記憶・注意集中・認識力・計画立案力のような知覚情報統合や情動制御に関わっています。悪影響は甚大となるそうです。

視運動性反射=眼球がある方向へ動くときに頚部が眼球と同側方向に動く
前庭動眼反射=頚部が動くときに視線を1点に固定するために頚部と反対の方向に眼球が動く

後頭下筋群の機能低下が生じると視運動性反射・前庭動眼反射機能も低下します。眼球運動と頚部の動きが障害されるため、代償運動が生じる可能性がでてまいります。視運動性反射が機能しなかった場合、反射的に頚部が動かなくなります。随意的な頚部の動きとなり頚部の胸鎖乳突筋や僧帽筋などが優位となりがちとなり、反応速度が低下するようです。

もうおわかりだと思いますが、息を吸ったときに胸鎖乳突筋や僧帽筋にりきみが生まれる人は、後頭下筋群の機能低下が生じている可能性があるということになります。

詳細は、12月の各地の講座で解説したいと思います。