2014年7月18日金曜日

息が吸えない人に対する指導の方針

呼吸と胸骨・肋骨・横隔膜

ときどき、「息が吸えません。助けてください」という相談があります。


そんな人の背中を見ると、丸まってしまっています。

横隔膜の胸骨付近に触れてみると、緊張して固まっているのがわかります。

このため、息を吐ききれなくなり、息が吸えなくなってしまっています。


横隔膜と腸腰筋・大腰筋

また、腰が反りすぎて下腹がポッコリしている人も息が吸えません。

横隔膜の肋骨付近に触れると緊張して固まっているのがわかります。

横隔膜に連結している大腰筋が過緊張して腰が反り、息を吸うことができません。


なので、吐く息と吸う息のどちらに問題があるか見極めて、ポーズの指導をします。

背中が丸くなる人には、腹直筋とお尻とモモ裏を伸ばすポーズを奨めます。

腰が反る人には、大腰筋と前モモを伸ばすポーズを奨めます。

どちらの場合も、肩甲骨まわりの緊張をゆるめて胸をひらきます。

※丸くなる→肩甲骨前傾・反る→肩甲骨後傾


たまに、反り腰+背中丸まり複合状態の人もおられます。

その場合は、臨機応変にポーズを選びます。


ちなみに、僕は呼吸法は指導しません。

『姿勢と動きが正しければ、呼吸は自然についてくる』という考えからです。

筋肉が過緊張して姿勢が崩れている状態で、まともに呼吸できるとは思えません。

なめらかに動けていない場合も同様です。


呼吸筋のコントロールは、良い姿勢に依存すると考えています。


呼吸が楽にできていないと、建設的な考え方をするのが難しくなるような気がします。

偏らない考え方は、偏らない姿勢から生まれるのではないかと思います。

姿勢や体型が崩壊している状態で、中道的なものの見方が可能だとは思えません。

脳は栄養と酸素で動いているわけですから。

骨盤底筋群

楽な呼吸には、横隔膜だけでなく骨盤底筋や胸郭出口なども大切です。

その方向からの記事も書いてみたいと思います。