2022年11月17日木曜日

ボールを転がしながら足底筋膜深部に、速く強くではなく、ゆっくりと十分に圧をかける。

 昨日のグループレッスンに参加された、松尾さんの記事 → メンテナンス

 アナトミー・トレインー徒手運動療法のための筋膜経線 第4版 医学書院 より引用します。

 SBLに関連する一般的な姿勢代償パターンとして、足関節背屈制限、膝関節過伸展、ハムストリングス短縮(不適切な深層外旋筋の代替えとして特に)、骨盤前方移動、仙骨のうなずき前傾、脊柱前湾、胸椎屈曲によって広げられる伸筋、上部頸椎過伸展を引き起こす後頭下筋制限。第1頸椎上での頭部前方移動、回旋、眼と脊柱運動(眼球運動反射)の分離がある。35P

 足底面は問題の原因となることが多く、SBLを上行して伝わる。足底面の制限は多くの場合、緊張性ハムストリングス、腰椎前彎、上部頸椎の抵抗性過伸展と関連する。足底面への構造的治療には、厚い足底筋膜を拳でこすって十分にストレッチさせるなどの筋膜組織を促す方法で上部組織に伝える。徒手でこの治療がうまくいかない場合、以下に述べる「足の下のボール」の方法を検討してもよい。35-36P

 立位で、片足だけでテニスボール(頑健な対象者にはゴルフボール)を転がしながら足底筋膜深部に入れさせる。速く強くではなく、ゆっくりと十分に圧をかける。これを、5本の足趾すべての趾球から後ろの踵の前端まで三角形の全領域にいきわたるように少なくとも2~3分間続ける。36P

引用ここまで この先の踵~膝のお話も面白いです。

 安部塾でも基本テクニックとして採用しております。注意点として、脚・足の力でボールを押さないように気をつけるということです。基本的には、脚・足のリキミを抜きながらリラックスモードで身体の重さをかけていくようにします。足底への機械的刺激は、下腿筋群(特に、抗重力筋であるヒラメ筋)を間接的に刺激してくれます。また、足底の刺激が主ではありますが、足関節の運動を促す効果もあり、足関節が柔軟になることで姿勢の保持機能が向上します。

 実際にやってみると、足底への機械的刺激によって、平衡機能が向上し、片脚立ちが楽になるのがわかります。立位バランスが改善されるのを体感できます。下肢からの固有知覚は平衡バランスの維持に重要だとされておりますが、特に足底感覚が重要であると考えられております。平衡感覚において足底知覚が重要であり、良好な足底皮膚がバランス感覚を改善します。

明日、飯塚にて解説いたします。 → 飯塚ヨガワークショップ

11月の各地のワークショップで、後頭下筋群のリリースの解説をしております。

☆新宮校ワークショップ(平日)

11月21日(月) → 詳細

 

☆大手門ワークショップ

11月23日(水・祝)→ 詳細

 

☆大阪ワークショップ

11月24日(木)→ 詳細

 

☆名古屋ワークショップ

11月25日(金)→ 詳細

 

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11月26日(土)→ 詳細


機能運動学大牟田サークル

11月27日(日) → 詳細

2022年11月16日水曜日

目の使い方、特に頸部の使い方によって残りの背部筋系の緊張パターンが決まる。

  昨年も書いた記事ですが、後頭下筋群のお話です。

→ 首こりと後頭下筋群~あごが引きづらい人は過緊張状態かも~眼球運動にも影響

 いま読んでも、頑張って書いてるなと自画自賛。

後頭下筋群

 アナトミー・トレインー徒手運動療法のための筋膜経線 第4版 医学書院 より引用します。

 最深層後部頸筋は、SBL(スーパーフィシャルバックライン)全体の開放にきわめて重要であり、実際、後頭直筋と頭斜筋はSBLの機能的中心とみなすことができる。これらの筋組織には多く伸張受容器があり、眼球運動や残りの背部筋系間の協調ではこれらの組織の関与は不可欠であり、この中心的な役割は明確である。後頭下の最深層筋には筋組織1gあたり36個の筋紡錘があるが、大臀筋では1gあたり0.7個であると報告されている。このように、後頭下筋は臀筋の約50倍「賢い」と言えるだろう。47P

 頭は動いていなくても、大昔からある主要な筋は眼球運動に反応している。目を上下に動かすと、後頭骨稜下の筋系で異なる筋が同じように連動するのが感じられる。これらの筋を動かさずに目を動かそうとしても、およそ不可能である。眼球と後頭下筋とのつながりは椎骨が発生したときからあり、このつながりはきわめて不可欠であり、眼球運動によって後頭下筋の緊張が変化する。この深部神経の「プログラミング」を変化させることは困難であるが、視覚障害や読字障害、頸部の特定の問題では変化が必要な場合もある。残りの棘筋はこれらの後頭下筋の言うことを「聞いており」、後頭下筋のリードに従って機能する傾向がある。47-48P

 目の使い方、特に頸部の使い方によって残りの背部筋系の緊張パターンが決まる。これは、治療のなかで毎日見る多くの姿勢パターンにかかわってくる。すなわち、頸部をゆるめ、長さを調節することは、肩甲骨や背下部、さらには股関節に及ぶ頑固な問題に対処する鍵となる。48P

 頸と頭の収縮は、基本的な恐怖反応の1つである。動物の多くは、頭を収縮させて恐怖に反応する。ヒトも例外ではない。我々の多くは、小児期を過ぎても恐怖が消えることはないため、運動前の習慣としては、あるいは人類不変の姿勢の状態として発生するこの収縮は、社会的には認められるが注目はされず、非常にダメージを受けている状態として、ヒトの運動に組み込まれるようになっている。このような収縮の習慣は、きわめて根強く長年にわたっており、簡単には取り除けない。アレクサンダー・テクニークの教師たちによるこの問題に対する長年の取り組みは、心理学的で身体的に解放感を与えるという点では価値のあるものである。48P

 引用ここまで~他の内容も素晴らしいので、一読されることをお奨めいたします。

 安部塾では、「とりあえず、アイックスに言って視機能検査受けてみてください」と提案しております。理由は、引用を読めば一瞬で理解できるかと思います。

11月の各地のワークショップで、後頭下筋群のリリースの解説をしております。

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2022年11月7日月曜日

足の中足趾間をほぐすと、脊柱、股関節・膝関節・足関節の動きがよくなる。

 脊柱の動きが悪かったり、股関節・膝関節・足関節の動きが悪かったりする場合、ついつい脊柱起立筋ほぐしなどの直接的なほぐしばかりやってしまいがちです。安部塾では、基本に忠実に、「背側骨間筋と底側骨間筋ほぐし」から始めます。足趾が機能していない状態で、大きな筋肉の機能をあげてもメリットが少なく、デメリットばかりが多くなるからです。

■脊柱起立筋ほぐし

作用:胸・腰椎を伸展、側屈する。脊柱の生理的な弯曲維持を補助する(立位や座位時)、脊柱を安定させる(歩行時)。拮抗筋は腹直筋。

適応:腰痛(特に物を持ちあげた後)/脊柱の関節可動域制限/腰痛(座ったり立ったりするとき、階段を降りるとき)/腰背部の痛み(1日の終わりに増強する)


背中ほぐし フォームローラー

■前脛骨筋ほぐし

作用:足関節を背屈する。足部を内返し(内反)する。拮抗筋は、長腓骨筋、腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋、後脛骨筋。

適応:足関節の痛みと圧痛/母趾の痛み/シンシプリント/足を引き摺る/母趾付け根の痛み、つま先立ちしたときの痛み/バランスの問題

■長趾伸筋/長母趾伸筋

長趾伸筋の作用:中足趾節間関節を背屈する。趾節間関節の背屈を補助する。足関節の背屈と足部の外返し(外反)を補助する。拮抗筋は、長趾屈筋、短趾屈筋。

長母趾伸筋の作用:母趾のすべての関節を背屈する。足関節を背屈する。足部の内返し(内反)を補助する。拮抗筋は、長母趾屈筋、短母趾屈筋。

足の痛み(足)/中足骨痛症/母趾の痛み(頑固な痛み)/ハンマー趾/鷲爪趾

すねほぐし フォームローラー

 写真的に映えるし、ダイナミックなので「やってる感」はありますが、安部塾では地味に足趾と足趾の間の動きをよくすることに時間を割きます。離接する足趾同士の間をひろげると、わかりやすく歩行姿勢が改善します。

■背側骨間筋/底側骨間筋

背側骨間筋の作用:足趾を外転する。中足趾節関節を底屈する。

底側骨間筋の作用:足趾を内転する。中足趾節関節を底屈する。

適応:第一中足骨趾節関節の痛み/外反母趾/第二趾の痛み/歩行障害/股関節、膝関節、足関節の痛み

注)この筋肉は、自分で圧をかけるまたま圧をかける道具を使うことを推奨する。通常、道具には鉛筆の先についた消しゴムを使うが、リフレッシュスティックが使いやすい。下のように、足底にテトラリフレッシュボール、足背にリフレッシュスティックを配してほぐすと、安全で効率が良い。リフレッシュスティックは、らせんの動きで用いる。

中足骨間ほぐし リフレッシュスティックとテトラリフレッシュボール

11月、各地のワークショップで解説いたします。

☆東京ワークショップ

11月11・12・13日(金・土・日・月)→ 詳細  

 

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2022年11月4日金曜日

お尻をほぐさないと腰の痛みが緩和しない理由

  

お尻のトリガーポイント

『トリガーポイント治療 Simeon Niel-Asher 緑書房』69~70Pより

 スーパートリガーポイントは常に活性化しているポイントである。トリガーポイントを治療することは、予想以上の多くの構造の変化(自律神経系の変化のような生理的な効果)を起こす。

 スーパートリガーポイントを治療することは、深部の慢性的な痛みを取る近道となる。スーパートリガーポイントは以下の状況下で認められる。

・胸鎖乳突筋:頭痛

・斜角筋:手の痛み、手首の痛み、神経血管系の疾患

・肩甲骨内側付近の棘下筋、肩甲下筋、上腕二頭筋長頭:肩の痛み

・中臀筋:腰痛

・膝蓋靭帯と付着部:膝の痛み

・長趾伸筋(距腿関節):足首の不安定性と足部の痛み

 トリガーポイントは筋・筋膜の経線に沿って発達する。筋肉は個々で動くものではなく、身体中にある筋膜内の連続体の収縮要素とみなす方がよい。

 鍼に由来する経絡という用語は、中国伝統医学では生命エネルギーの経路と言われており、それは全身を巡っている。

 脳や身体は、互いに共同して筋収縮を行うための一連の神経筋連結を有しており、そのおかげで空間的に安定した位置を保っている。我々のすべての身体システムや構造は、相互依存的に関連しながら働いている。

引用ここまで

 手技療法の先生が「まずはお尻の過剰な緊張をほぐしなさい。話はそれからです」と言われます。安部塾でも、フォームローラーやマッサージボールを用いて安定持続圧をかけつつ、呼吸を用いてお尻の深部の過剰な緊張をとっていきます。解放されたお尻は、腰を軽くします。

 明日の下関ワークショップを皮切りに、11月の各地のワークショップで解説いたします。

☆下関ワークショップ

11月5日(日)→ 詳細

 

☆新宮校ワークショップ(休日)

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2022年10月31日月曜日

足の深層筋(足背と足底の中足骨間部)をほぐす。

  昨日、大牟田サークルにて足の深層筋のほぐしについて解説しました。リフレッシュボール(テトラ)で、足背と足底の中足骨の間を前後に動かし圧迫するテクニックです。

足背と足底の中足骨間部をほぐす

 適応は、第1中足趾節関節の痛み、腱膜痛、外反母趾、第2趾の痛み、しびれ、股関節・膝関節・足関節の痛みなどです。ほぐれると、歩行姿勢や歩容が改善します。

 リフレッシュボールやテトラが入手困難なようなので、リフレッシュスティックが手に入る方はいまのうちにゲットしておりた方がいいかもしれません。これ、なかなかのスグレモノです。




11月の各地の講座で、フォームローラーとマッサージボールによる筋ほぐしに加え、テトラやリフレッシュスティックによるほぐしを解説します。

機能運動学大牟田サークル

10月30日(日) → 詳細

 

☆下関ワークショップ

11月5日(日)→ 詳細

 

☆新宮校ワークショップ(休日)

11月6日(日) → 詳細 

  

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2022年10月29日土曜日

筋ほぐしフォームローラー講座、明日(30日)の機能運動学大牟田サークルにてやります。

  明日(30日)は、機能運動学大牟田サークルです。いつもの方々が参加できないらしく、少人数になりますとのことなので、「筋ほぐしフォームローラー講座」をやることにしました。出番を待つフォームローラー達(某プロフィットネスショップD社製ほか)。

フォームローラー

 テクニックのベースはトリガーポイントセラピーと筋膜リリースです。スタティック(静的)ストレッチングを組み合わせます。復習用・オンライン塾生講座用に現場写真を撮影しようと思います。

 11月の各地の講座でも、フォームローラーとマッサージボールによる筋ほぐしやります。

機能運動学大牟田サークル

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2022年10月25日火曜日

筋膜リリース(フォームローラー)とトリガーポイントセラピー(リフレッシュボール)とストレッチングと筋の解剖。

  11月の各地のワークショップは、「筋膜リリース(フォームローラー)とトリガーポイントセラピー(リフレッシュボール)。ストレッチングと筋の解剖」を予定しております。

フォームローラーを使った筋膜リリース・ベーシック

フォームローラーを使った筋膜リリース・ベーシック

マッサージボールを用いたトリガーポイントセラピー・ベーシック

■フォームローラー(ボディローラー~筋膜リリースローラー)による筋ほぐし

 全身の筋肉全体を覆う薄い膜=筋膜は、筋肉の伸張を助け、筋肉の形状を保ち、内臓を固定する役割があります。85%の水分とコラーゲン繊維とエラスチン繊維により網目状に構成されています。性質上、縮んだりよじれたりしやすい特徴があります。一部にねじれが生じると全身に連鎖反応を起こし、波及して徐々に広がってしまう傾向があり、縮んだりよじれたりという不具合が、身体の凝りや痛みの一因となります。フォームローラーを用いて筋膜のねじれを解消し、正しい筋や筋肉の動きを回復させるケアを定期的に行いましょう。

 基本的な使い方は、ほぐしたい部位をフォームローラーの上に置いて自重負荷をかけ、凝りがある部分にフォームローラーが当たるように位置調整し、静かにゆっくりとしたペースで揺らしながら、1ヶ所につき45~60秒ずつ程度の時間、筋肉を刺激していきます。

①首ほぐし
②背中と肩甲骨まわりのほぐし
③肋骨と肩甲骨の間=腋の詰まりのほぐし
④背中伸ばし
⑤お腹と脇腹ほぐし
⑥お尻ほぐし
⑦ももほぐし(前側・後ろ側・外側・内側)
⑧すねとふくらはぎほぐし
※ダイソーのボディローラー(550円)など、フォームローラーを持参ください。

■リフレッシュボール(リラクゼーションボール)による筋ほぐし
①頭・首ほぐし
②肩甲骨(回旋筋腱板)ほぐし。
③手のひらほぐし
④足の裏ほぐし
⑤お尻ほぐし
⑥すねとふくらはぎほぐし
⑦腰と脇腹ほぐし
※ダイソーのリフレッシュボール(110円)など、マッサージボールを持参ください。

■ストレッチングと筋の解剖(ブラッド・ウォーカー)

……冬に入る前に、筋をほぐしましょう。

11月、各地のワークショップスケジュール。

☆下関ワークショップ

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機能運動学大牟田サークル

10月30日(日) → 詳細

11月27日(日)

 

☆東京ワークショップ

11月11・12・13日(金・土・日・月)→ 詳細  

 

☆大手門ワークショップ

11月23日(水・祝)→ 詳細

 

☆大阪ワークショップ

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☆名古屋ワークショップ

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☆神戸ワークショップ

11月26日(土)→ 詳細

 

☆新宮校ワークショップ(休日)

11月6日(日) → 詳細 

 

☆新宮校ワークショップ(平日)

10月24日(月) → 詳細