この2年を振り返ってみて、「他者の批判ばかりしている人は、本人が気がつかないうちに孤独になっていく」ということを実感しています。
自分が正義の味方になったような錯覚を起こし、「自分だけが正しい」という立場で批判ばかりするため、単純に嫌われるからです。問題点の指摘や改善へのアドバイスなどは、根拠を挙げて理性的に誤りを指摘することなのですが、嫌われる人は「自分が気に食わない」という理由で感情的に誹謗します。自分の常識を押しつけているだけに過ぎないのです。
批判ばかりする人がどうなっていくかというと、
①孤立感の増大
②信頼の喪失
③精神的健康の悪化
④学習と成長の機会の喪失
⑤良好な人間関係の損失
と、いう感じで、批判を聞いてくれる人が少しずつ減っていき、家族くらいしか話す相手がいなくなります。気がつけば、周りにいるのは自分とよく似た「批判ばかりする人」だけに。
批判ばかりする心理には、次のようなものがあると考えられてます。
①劣等感があり、無意識に批判をする
②自尊感情が低く、心が疲れてそのことに気づくことができない
③恐怖心から逃れたいが故に、誰かを批判して安心したい
④自分の心が不安で退行している
他人を批判すると、一瞬だけ優越感を感じることができます。そのまま他人を批判し続けているとどうなるかというと、他者からの批判を恐れて大胆な挑戦ができなくなります。他人を批判することで、他人から批判されることに怖れ続ける人生を送ることになるのです。批判ばかりしている人は、不幸や不運ばかりを引きつけ、死ぬまで批判し続けるという哀しい人生になります。批判されないように、威圧的な態度をとり続け、他者から愛されない寂しい日々を送ることになります。
心が満たされている幸せな人は、不要な批判をしません。
精神科医が「批判はすべて受け流していい」と言い切る納得の理由 より引用します。
批判や悪口は、心理学でいう「投影」であるだけです。何かが起こったときに人のせいにしているだけなのです。投影は未熟な防衛機制の1つです。
他人の弱点や欠点を見つけて批判ばかりするのは、実は自分の心が不安で退行していることを意味します。他人の批判をしても何の得にもなりませんが、自尊感情が低すぎるあまり、心が疲れてそのことに気づくこともできません。
誰かに攻撃された場合、相手がこちらに自分の嫌な部分を“投影”しているという事実を忘れないようにしましょう。相手が未熟な防衛機制を使った理由は、本人が自らに不快な感情を抱いているからです。
引用ここまで
「相手が未熟な防衛機制を使った理由は、本人が自らに不快な感情を抱いているからです」ということがわかっていると、責められたときに心理的中間位を保つことができます。
脳科学的には、つい悪口を言ってしまう原因はドーパミンが放出されて快楽を感じるからです。また、脳は悪口が誰に向けて言われているものか理解できないため、悪口を言っている自分自身や、悪口を聞かされる相手の脳にストレスを与えてダメージを蓄積させます。
批判ばかりする人の2年間を観察してみて、姿勢や動き、そして表情の歪みが加速度的に進行することに驚いています。呼吸と動きと姿勢を改善する第一歩は、「自分は正しい」という自身の思い込みに目を向け、自分の心が不安で退行しているのではないかと疑い、自分の嫌な部分を相手に投影していないか精査することだと思います。