問い合わせがあったので、記事にします。
確証バイアスとは
自分の思い込みや願望を強化する情報に注目し、そうではない情報は軽視してしまう傾向です。認知心理学や社会心理学で取り上げられるバイアスのひとつで、政治や経済、ビジネス、SNS、日々の実生活など、さまざまな場面で起こります。自分がすでに持っている先入観や仮説を肯定するため、自分にとって都合のよい情報ばかりを集める傾向のことです。
確証バイアスの例
相手の性格について「社交的な人」といった事前情報を得ていると、社交的という自分の予想と一致する相手の言動により着目しやすくなる。
血液型と性格の関係について、相手の血液型がAB型だとわかると、一般的によく言われる特徴である「AB型は自由奔放、二面性」という情報にばかり目がいき、他の情報が見えなくなってしまう。
問題のある恋人と別れられない場合、「悪い点を見ようとせず、よい点ばかりにこだわって交際を続けてしまう」といった確証バイアスが働いている可能性がある。
確証バイアスに陥らないために
・情報の出所が偏っていないか、視点や視野が限定されていないかを確認する。
・客観的で冷静に情報を精査する。
・自分の主張を否定する情報や証拠がないかを調べる。
・多様な人と意見交換する。
非合理的な信念とは
臨床心理学者のアルバート・エリスが提唱した「論理療法」における中心概念のひとつで、「イラショナル・ビリーフ(Irrational belief)」とも呼ばれます。
「○○すべきである、○○でなければならない」といった教条主義的・絶対論的な信念を指し、次のような特徴があります。
・根拠がないのに真実だと決めつける(レッテル貼り)
・物事を0か100か、白か黒かでしか判断しない(白黒思考、all or nothing)
非合理的な信念は、情緒不安定や無気力、うつや病気などを引き起こす原因にもなります。たとえば、「全員と仲良くしなければいけない」という信念を持つと、相性が悪い人とも無理して話を合わせたり、気が乗らない誘いも断れなかったりして、精神的にも肉体的にも疲れてしまいます。
メタ認知(Metacognition)とは
自分の思考や感情、知覚などの認知活動を、客観的な視点から捉え、冷静に判断する能力です。
「メタ」は「高次の」「より上位の」という意味の接頭語で、「認知(cognition)」は推理や思考に基づいて物事を理解したり、判断したり、解釈したりするプロセスを意味します。
メタ認知能力を高めるメリット
・自己改善や学習効率の向上
・人間関係の悩み事の改善
・前向きに行動しやすくなる
・仕事の効率や生産性の向上
・コミュニケーション能力の向上
メタ認知能力を高める方法
・自分自身の価値観を深掘りし、客観視するための「意見、経験、感情、価値観」の4つの視点から自分自身を探求する
・日々の日記や日報を書くことで、自分の思考や振る舞いを客観的に見つめる