2021年10月14日木曜日

基本の動きを反復練習することが大切。一芸に秀でる者は多芸に通ず。

  身体の動かし方を教えていると、少しできるようになると飽きてしまったり、「だいたいわかった」とか「もう学ぶことはない」と早合点してしまったりして、基本の動きを深めようとしない人たちに出会うことがあります。何の分野でもそうだと思いますが、10年以上にわたり数万時間を費やしてもなお「全然わからない。学びが終わらない」というのが身体操作の世界だと、私は感じております。

 「一芸に秀でる者は多(万)芸に通ず」ということわざがあります。何かひとつのことを熟達すると、他の何かに共通した原理のようなものが身につき、他のことをしても応用が利いて、すぐに習熟し、うまくできるようになるというものです。

 自称「私は器用」という人がいたので観察をしてみましたが、何ひとつ習熟できてはいませんでした。いわゆる「全然できていないのに、できているような気になっているだけ」というだけで、自ら「できていますアピール」しないといけない状態だというのがすぐにわかりました。基本をやらない人独特の「現実を見ていない感」が観察されました。

 基本の動きは、そこから先に展開するすべての動きの元となる動きです。つまり、基本の動きに少しでも狂いがあれば、そこから先の動きはすべてが狂っていくということになります。小手先(その場しのぎで、将来を見通した深い考えのないこと)の修正を繰り返せば繰り返すほど基本の動きも狂っていくことにもなります。感覚が狂うことになるので、多方面に問題が生じる結果となります。

 逆に、基本の動きを繰り返し練習して身につけていると、初見の動きがいきなりできたりします。身についている動きを組み合わせるのは難易度が低いので、予想以上に簡単にこなせてしまいます。これに対し、基本の動きが身についていない場合は、何度見ても動きを真似ることができません。自分にできる動きを組み合わせてみても、要求される動きができないのであれば、真似ることはできないためです。

 コロナ禍以降、基本の動きの反復練習にたっぷりと時間を使うことができております。指導時間が激減した代わりに、自分自身の基本の動きの見直しができ、たくさんの気づきとともに、基本の動きの大切さを再認識することができました。内容的にはこれまで通りの「永遠の初心者クラス」ですが、より深く掘り下げていきたいと思います。

 10月15日(金)・17日(日)の新宮校での集中講座で、基本の動きの大切さと練習の仕方について解説したいと思います。今回は、ファンベールを使います。

☆新宮校集中講座(平日)

10月15日(金)

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☆新宮校集中講座(休日)

10月17日(日)・31日(日)

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