2021年5月31日月曜日

体軸回旋と内腹斜筋・外腹斜筋

胸椎の回旋と内腹斜筋・外腹斜筋

 内・外腹斜筋は体幹の体軸回旋に断然効果的です。外腹斜筋は対側への回旋筋であり、内腹斜筋は同側への回旋筋です。これらの筋による強力な体軸回旋能力は、両筋を組み合わせたかなり大きな横断面積とすぐれたてこ作用を反映します。特定方向への体軸回旋の際には、一側の外腹斜筋は対側の内腹斜筋とともに相乗的に機能します。この機能的な相乗効果は、互いに白線に付着することから、正中線を越える対角線上の白線に付着することから、正中線を越える対角線上の力線を生み出します。そのため、両筋がともに収縮すると、一側の肩と対側の腸骨稜とのあいだの距離を縮めます。
胸腰筋膜・腹横筋・内腹斜筋・外腹斜筋
 体軸回旋中、腹横筋の上部繊維よりも中部・下部繊維がわずかな時間差をもって共同活動することが示されています。体軸回旋中の腹横筋は、体軸回旋とトルク発生器というよりも腹斜筋のための安定装置としての機能を有すると考えられます。腹横筋が両側同時に活動すると、肋骨、白線、そして胸腰筋膜の内・外腹斜筋が付着する部分を固定します。

 体幹の体軸回旋で必要となるトルクは、身体の活動と姿勢の性質に基づいて相当変化します。高いパワーの体軸回旋時にはかなり大きなトルクが必要となります。しかし、水平歩行のように直立姿勢でのゆっくりとした体幹のひねりを含む活動では、必要なトルクは非常に少なくてすみます。体軸回旋は水平面で起こるので、重力によって生じる外的トルクが回旋筋に影響することはほとんどありません。この場合、筋の主要な抵抗は、体幹の慣性と拮抗筋の伸張による他動的な張力です。