|
頭部前方位姿勢 |
妬みやシャーデンフロイデと心拍活動との関連1,2,3より
私たちは自分が手を下すことなく他者が不幸な状況に陥った際に、それを見たり聞いたりすることで喜びを感じることがある。この感情のことをシャーデンフロイデと呼ぶ。シャーデンフロイデはドイツ語で「損害」「不幸」などを意味する“schaden”と「喜び」を意味する“freude”を合わせた言葉であり、日本語では「他人の不幸は蜜の味」という言葉で表現されている。
要因の中でも最も注目されているのが妬み感情であろう。妬み感情は、他者が享受する望ましい特性に気づくことによって生じる、劣等感・敵意・憤りによって特徴づけられる、しばしば痛みを伴うような不快な感情として定義される(Smith & Kim, 2007)。この妬み感情が経験される対象に対してシャーデンフロイデが喚起されやすいことは多くの研究で示されている。
澤田(2008)はターゲット人物に対して妬み感情を抱かせることでシャーデンフロイデが喚起されることを報告している。その他にも復讐心(澤田・葉山,2009)や顕在的・潜在的自尊感情(藤井・澤田,2014; 渡邊,2014)などとの関連が検討されている。
実験の結果,ターゲット人物が優位な立場かつ自分との関連性が高いほど妬みが強く喚起されていた。そして、強い妬みを抱いているほど前帯状皮質の活性化が強いことや、妬みを抱いた対象に不幸が起こった際にシャーデンフロイデを感じているほど報酬系の一部である腹側線条体の活性化が強いことが示された。
また,Cikara et al.(2011)では,fMRIを用いた実験により、スポーツ観戦中の応援チームとライバルチームの成功と失敗の場面を目にしたとき、ライバルチームの失敗(つまりライバルチームに対してシャーデンフロイデを感じていると考えられる状況)の時に、応援チームの成功の時と同様、腹側線条体が活性化されることを報告している。その他にも、ikara & Fiske(2012)は表情筋電図解析により,自分よりも優れており競争関係にあるターゲット人物に不幸が降りかかった場合、そうではないターゲット人物と比べた場合よりも参加者に笑顔の表情表出が多くみられたと報告している。
本研究の目的は,シャーデンフロイデと心拍反応の関連を明らかにすることであった。まず、主観的な妬みとシャーデンフロイデの強さについての仮説1は支持された。つまり,主人公よりも優れた能力や地位等を持ち、主人公との関連性の高い優位条件のターゲット人物に対しての妬みの方が、主人公と同様の平均的な能力や地位等を持ち、主人公との関連性の低い平均条件のターゲット人物に対しての妬みよりも強く喚起されていた。
また、強く妬みを感じた優位条件のターゲット人物に対してのシャーデンフロイデの方が、平均条件のターゲット人物に対してのシャーデンフロイデより強く評定されていた。これらは先行研究(Takahashi et al., 2009)と同様の結果であり、本研究でも妬みとシャーデンフロイデを喚起することに成功していたと考えられる。
仮説2と仮説3は支持されなかった。優位条件と平均条件のターゲット人物の間でその人物が不幸になるシナリオを見ている時の心拍数の変化に差は見られず、主観指標と心拍数との相関も見られなかった。これらは単に有意差が見られなかったというだけでなく、効果量も比較的小さい傾向にあった。また、妬みに対する探索的検討においても心拍数の条件差は見られなかった。つまり本研究の結果は,妬みやシャーデンフロイデの感情と自律神経系との関連が弱い可能性を示している。しかし,本研究は心拍のみによって自律神経系の反応を測定していることに注意が必要である。末梢の皮膚血管や汗腺を支配している皮膚交感神経の反応など,他の指標を用いて自律神経系との関連を検討する必要がある。
引用ここまで
シャーデンマッハ―
他人を不幸に貶める(おとしめる)行為を実際にしてしまう人を指します。 不幸の作り手。シャーデンフロイデは外部への影響を与えない感情であり、直接的な行動によって他人を不幸に陥れようとする人々は「シャーデンマッハー」と呼ばれます。
人の不幸を願ってばかりいたりとか、人を不幸に貶めることにばかり力を注いでいたりすると、自分が人から嫌われる人になったり、自分自身が不幸になりやすい人になってしまうことになります。
「不幸は道連れを欲しがる」
メンタルがやられているとき、楽しそうな他人(喜び、成功、幸せ)が羨ましくて、より一層落ち込みがちになります。このとき、楽しそうな他人の足を引っ張りたい気持ちになると闇堕ちします。
ここで、楽しそうな人たちを観察してみましょう。誰かのことを推している(応援している)のがすぐに観測できるはずです。楽しくなさそうな人たちを観察してみると、妬んでいる誰かの不幸を願っているのが観測できるはずです。下手すると、不幸に貶めるべくいろいろと画策していたりします。
嫉妬に駆られているときは、感情的になり、相手に怒りをぶつけたり、自暴自棄になってしまいがちです。嫉妬は怒りと結びつきやすい感情なため、暴言、暴力、自傷行為に結びつきやすいのです。
自己肯定感が不足していると、嫉妬しやすくなります。自己肯定感が充足していると、「自分には魅力があるから大丈夫」という安心感の元、嫉妬することなく相手と付き合うことができます。
自信がなく嫉妬心に支配されて怒り狂っている人の特徴として、「自分アゲ、他人サゲ」という行動原理が徹底しているということが観察できます。闘争反応がそうさせるわけですが、結果的に首が詰まって頭部前方位姿勢となります。
|
https://meowyjanes.com/how-do-i-know-when-my-cat-is-angry/ |
というわけで、ほんとに姿勢を改善したいのであれば、自分より優れている人を見て「尊い」と感じたり、楽しそうな人を応援したりして、嫉妬とは無縁な生活を送るのが基本だと考えています。