「泣くな復讐しろ。最高の復讐はしあわせになることだ」
"Don't cry just revenge.The best revenge is to live well."
『最高の復讐は、しあわせな人生を送ること』
復讐したいという気持ち(エネルギー)を相手に向けるのは非効率的です。復讐したいという気持ちは、自分の人生をしあわせなものにすることに向けるのが効率的です。相手に復讐したい気持ちを向けてしまう状態は、相手によってコントロールされている(ふしあわせな)状態です。恨みのために蛇となった面が『真蛇(しんじゃ)』です。今年の後半は、「お面で学ぶシリーズ」が秘かに人気となりました。
真蛇面 |
あなたを憎む者への最高の復讐の仕方 pic.twitter.com/4ijo3gra6P— スルメ・デ・ラ・ロチャ (@surumelock) March 28, 2019
真に魅力的な人間へと成長できれば、周りの人たちが放っておかないものです。大切なことは、自分で自分を高めようとする強い意思と、自らそれを求めていく正しい姿勢です。仕返しをしようとするのは、復習したい相手と同じレベルに堕ちてしまうということです。嫌なことをやられたから、同じように嫌なことをしてやり返してやろうというのは、自分も嫌な人間になってしまうということです。いや、妖しと化してしまうということです。
フリードリヒ・ニーチェ(ドイツ哲学)の『善悪の彼岸』146節の言葉。
「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」
“Beware that, when fighting monsters, you yourself do not become a monster… for when you gaze long into the abyss. The abyss gazes also into you.”
「怪物と闘うとき、気をつけないとお前も怪物になるぞ」ということです。怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心しなくてはなりません。『白き勇者』が『黒き怪物』に立ち向かうと、たちまち『黒』が『白』を黒く塗りつぶしてしまいます。怪物と対峙した際、憎悪や恐怖に呑みこまれて理性を失ってしまうということは、自らも怪物になり果ててしまうということです。
ごくごく当たり前のことですが、敵(かたき)討ちに成功したところで、誰ひとりしあわせにはなることはありません。今度は自分が討たれることに怯えることになります。誰かをふしあわせな状態に陥れた代償は、予想以上に大きいものになります。自分がしあわせになることで、水に流すことができます。
今日は大晦日。月末最後の日を晦日(つごもり)ともいうので「大つごもり」ともいいます。罪や穢れを水に流す神事の日です。しあわせな自分を確認することで、水に流してしまう日でもあります。元旦には歳神(としがみ)さまという新年の神さまが、しあわせをもたらすために各家庭にやってきます。大晦日の夜、年越祓(としこしのはらえ)というお祓いの神事が行われ、知らず知らずのうちに身についた罪や穢れを祓い清めて、清々しい心と体でお正月を迎えます。
「良いお年をお迎えください」は、年の瀬に会った方に、「次に会うのは新しい年が明けてからですね。良い新年を迎えてくださいね」という意味で使います。「新年が、あなたにとって良い年でありますように」という祝言(ことほぎ)です。この言葉は、しあわせに生きている方々がよく使います。他者のしあわせを祈ることができる人はさいわいなのだと思います。
それはみなさま、良いお年をおむかえください。