2019年6月29日土曜日

安部塾オンラインサロンの記事が充実しつつあります。

塾生が、安部塾オンラインサロンに講座レポートをアップしてくれています。

安部塾オンラインサロン 大手門塾生講座まとめ

安部塾オンラインサロン レイゾーナ講座などまとめ

しっかりまとめてくれていて、嬉しくなります。

リアクションが、もう少し欲しいかな(笑)。

各地の講座のレジメの原稿をアップしていますので、参加できなかった方も入手可能となっています。

動画のアップが、もろもろの事情で遅れておりますが、近日中にアップできるかと思います。


少しずつ、ていねいに育てていきます。

息を吐くことと、痛みを鎮めること。一定のリズムで、ていねいに呼吸する。

筋肉の使いすぎによる帯状の凝りや、急性・反復性の過負荷ストレスなどにより筋肉の緊張が高まった、痛覚受容器が分布する筋肉や筋肉を包む筋膜に無理な力が加わって痛みを生じるようになる。

筋収縮のために血管が圧迫されることで、筋肉への血流の障害が加わり、発痛物質(ブラジキニンなど)やプロスタグランジンが産生されて痛みが強くなる。

筋肉の収縮が強まって攣縮(れんしゅく)に移行すると、さらに痛みが出やすくなる。
※攣縮=痙攣性の収縮

ストレッチングななどで受動的に筋肉を伸ばそうとしても、痛みのために可動域制限がかかって伸びない。

関節可動域の制限が認められるだけでなく、筋の短縮や筋力低下が見られる。

筋の深部・豆型の収縮こぶ

そんな箇所を光学顕微鏡で見ると筋の深部に豆型の収縮のこぶが見られる。

電子顕微鏡で見ると筋節のA帯とI帯が欠損し、短縮している。

索状硬結=筋線維の短縮と関係があると考えられる骨格筋あるいは筋膜内にピンと張られたロープ状の「しこり」。

トリガーポイント=痛みの引き金となる部位・発痛点。

慢性的な筋疲労が持続した時や外傷により、骨格筋あるいは筋膜内の索状硬結 taut band内に出現する過敏性の発痛点。

押さえると痛みが放散する。

トリガーポイントは、痛覚受容器(ポリモーダル受容器)の過敏化が生じている部位だと考えられるようになってきた。


トリガーポイントの存在する筋を短縮させるとその痛みが増悪する。

痛みを避けるために無意識下にその筋を伸長させた姿勢をとるようになる。


立毛筋の収縮(鳥肌)や、発汗、さらには血管収縮などが見られる。

交感神経活動の亢進を示している。

交感神経内には神経伝達物質としてノルアドレナリンのほか、ATPやneuropeptide Y (NPY)が見られる。

ATPやその分解産物であるアデノシンには発痛作用があり、NPYには血管や筋の収縮作用がある。

トリガーポイントの成因として挙げられている持続的筋収縮に伴う血流阻害とエネルギー危機による発痛物質の産生に、交感神経が関与している可能性がある。


交感神経活動が亢進しているときの状況。
・動悸(心拍数の増加)
・発汗(汗腺からの分泌増加)
・冷え(皮膚動脈の収縮)
・高血糖
・高血圧

副交感神経活動が低下しているときの状況。
・吐き気
・食欲不振
・腹痛
・便秘/下痢
・排尿障害
・ドライアイ/ドライマウス

交感神経と副交感神経

安静時の呼吸は副交感神経支配となるので、腹式呼吸。

活動時の呼吸は交感神経支配となるので、胸式呼吸。

同じ理由で、副交感神経支配を意識するときは、吐く。

交感神経支配を意識するときは、吸う。


腹式呼吸+吐く意識で、副交感神経支配。

胸式呼吸+吸う呼吸で、交感神経支配。


どちらの場合も、吸うときは鼻から。

口呼吸・肩呼吸はダメだ。


一定のリズムで、ていねいに呼吸する。


息を止めるのはダメ。

食いしばりはダメ。

浅い呼吸はダメ。

はやい呼吸はダメ。


意外なことに、正確な呼吸には鎮痛効果がある。

明日の新宮校集中講座のテーマは、『身体のねじり方(体幹の回旋)』。

呼吸が正しくないと、一発でアウトになる動きだ。

座学でしっかり解説したい。

2019年6月28日金曜日

「力に頼らず、勝とうとしないで負けない」~「陰徳あれば陽報あり」

陰徳を積んでいれば、それはやがて人の目に見える美しい徳、美徳になって現れる。

超訳・易経 2018年3月4日絶版
数少ない剣道の最高段位、八段を取得したその師範の戦いぶりは
「力に頼らず、勝とうとしないで負けない」もので、とくに見事だといいます。
 
七十代になるというその師範も、若い頃には前へ前へと
積極的に攻め入る戦い方をしていたそうですが、
あるときから試合中、ぴたっと動かなくなったそうです。
静かに空気が流れるなかで、相手が攻めてくると一瞬で勝負を決めてしまう。
その優雅でしなやかな動きは、ほれぼれするほど美しいというのです。
 
師範はいつも弟子に
「先に打つな、下がるな。相手がしかけてきた時に打て」
と指導しているそうです。

引用ここまで


陰の期間は、本当の力をつけるための準備期間と考えていいと思う。

じっくりと力を蓄えておかないと、『その時』が来た時に動けない。

インスタントに得たものは、何も残らない。

無理やり自分を認めさせようとしても、虚しい結果に終わる。


人知れずよいことを行う者には、必ず目に見えてよいことが返ってくる.

善行を重ねているような人の家庭には、自然にめでたいことが集まってくる。

人知れず善いことを積み重ねていくよう努力することは決して無駄にはならない。

歯磨きをするように陰徳を積むことが大切なのだ。


自分がしあわせになるために、誰かから奪ってばかりいると、人生が冴えなくなる。

上から目線で偉そうに言うことを聞かせたいとかは最悪の展開をたどる。

「愛とか、恋とか」って嘲笑している人ほど、愛に飢えている。

愛を馬鹿にする人は、愛を欲している(酸っぱい葡萄)。

誰にも愛されなかった、そして誰にも愛されていない哀しい人だ。


お金を払ったり、セミナーを受ければ愛を受けとれるとかやらかせば詰む。



「仕組みをつくって楽に生きる」とか、集金システムの構築ばかり考えている人に愛はない。

陰徳どころか陽徳すら積まず、インスタントな成果ばかりを求め続ける。

まともな人たちは、誰も相手にしてくれなくなる。

資金が尽きれば、まともでない人たちからすら見捨てられてしまう。


行き着く先は、孤立感溢れる孤独な日々。

孤独をこじらせると、取り返しがつかなくなる。


その人の身体には、その人の生き方があらわれる。

死後、解剖してみれば、その人がどんな人生を生きてきたかがわかる。

機能解剖学ですら、現在その人がどんな生き方をしているのかをある程度見抜ける。

陰徳を積んでいる人の身体は健康的だ。


陰徳を積んでいる人は対人関係が万徳円満と化すので、孤独にならない。

健康を害する最大要因の孤独から解放されているかが身体にあらわれる。


陰徳あれば陽報あり。

人知れず、日々、身体操作技法訓練を積もう。

あまり知られていないが、地道な身体訓練は最大の陰徳積みだとされている。

6月30日の新宮校集中講座の小話で解説したいと思う。


2019年6月27日木曜日

股関節外旋ブーム

股関節外旋が流行っている。

股関節外旋筋群と内旋筋群を比べてみると、その差は歴然だ。

数においても、かさにおいても、外旋筋群が圧倒している。


ザ・オイスター

全国的なブームになりつつあるのが、ちょっと嬉しい。

ずーっと昔から、淡々と股関節外旋力の尊さを説いてきたので。

ただし、股関節の内転とセットで語って欲しいと願っている。

カパンジー機能解剖学(下肢)に詳しい。

2019年6月25日火曜日

股関節の筋群/股関節の機能~基礎の基礎をカパンジー先生の本で学ぶ

1,屈曲ー伸展

ー屈筋群
・腸腰筋は、股関節屈曲の主な動力筋。同時に外旋筋でもある。腰椎に付着し、腰椎前弯をコントロールする。
・縫工筋は、股関節屈曲作用以外に、外転ー外旋の作用もあり、膝に対しては屈曲ー内旋作用がある。
・大腿直筋は、大腿四頭筋の最も前方にある筋頭。強力な股関節屈筋であるが、膝がより屈曲しているほど有効。
・恥骨筋
・長内転筋
・薄筋
・小臀筋と中臀筋の前方繊維束

ー伸筋群
・大臀筋は、人体で最もかさがあり、最も強力な筋。中臀筋と小殿筋の後方繊維束によって補助されている。また、外旋筋でもある。大臀筋は、正常歩行にはほとんど関与していない。走行、坂や階段の登りにおいて作用する。
・ハムストリングス(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)は股関節がより屈曲位にあるほど有効
・大内転筋

2,外転ー内転

ー外転筋群
・中臀筋は、外転の主動筋。次の筋によって外転を補助されている。
・小殿筋は、中臀筋の1/3の筋力。
・大腿筋膜張筋は、中臀筋の1/2の筋力。
・大臀筋は、最も近位の繊維のみ外転作用がある。
・梨状筋は、きわめて補助的な外転筋。

ー内転筋群
・大内転筋は、最も強力。自身に対して巻きついている。坐骨~恥骨枝の最も内側から起こった繊維が、大腿骨粗線の最も高位に付着し、外側からの繊維が逆に下位に付着しているからである。このことによって、収容される凹みの中に溝を形成している。
・内転筋の第3繊維束は、紡錘形の筋体をなし、前者とは区別できる。
・薄筋
・半膜様筋
・半腱様筋
・大臀筋の下方部分
・大腿方形筋(補助)
・恥骨筋(補助)
・内閉鎖筋(補助)
・外閉鎖筋(補助)

3,外旋ー内旋

ー外旋筋群
・梨状筋は、大腿骨切痕を通り骨盤から出ている。
・内閉鎖筋は、坐骨棘の下で骨盤から出ている。
・外閉鎖筋
・大腿方形筋
・恥骨筋
・中臀筋の最も下方の繊維束
・大臀筋
※いくつかの内転筋は外旋筋でもある。

ー内旋筋群
・大腿筋膜張筋は、内旋要素を有している。
・小殿筋は、ほとんどすべてが内旋筋である。
・中臀筋の前方繊維束のみが内旋筋である。


股関節の機能

骨頭は、ふたつの完全に嵌合した球形の共通の中心のまわりで回転しながら、臼蓋の中を滑る。これは、遊びのまったくない、球形の関節である。

ー可動域
・屈曲ー伸展:屈曲145°,伸展30°
・外転ー内転:外転45°,内転20~30°(屈曲あるいは伸展を伴う)
・外旋ー内旋:外旋60°,内旋30~40°

カパンジー生体力学の世界 142~145Pより>


安部塾では、カパンジー機能解剖学を教科書として採用している。

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版 と合わせ、解説をしている。

私は、ずっと独学でやってきた。

迷わずにやってこれたのは、カパンジー先生の本のお陰だと思っている。


「豊かさとは、満足することを知ることであり、努力を継続できること」

老子が説く『道』と、機能解剖学は相性が良いように思う。

老子道徳経と、屈曲ー伸展・外転ー内転・外旋ー内旋の解説を読み比べる度にそう感じる。

もちろん、易経の陰陽論と機能解剖学もそうだ。


3D太極図なんか、股関節の学びを深めた人には垂涎だと思う。

3D太極健身球

てか、こうなるよね。

二十四式太極拳パンダTシャツ

話を戻して、股関節は身体の使い方を学ぶときに、はじめに学ぶといい部位だと思う。

基本的な用語を、混乱なく覚えれるし、ベクトルの考え方も身につくと思う。


今日の塾生講座と、明日のレイゾーナの講座で、股関節の解説をする。

お楽しみに。

2019年6月24日月曜日

『他人が真似できないような積み重ね』をする~時間とコストをかけ、真面目に、真摯に、真剣に取り組む。

超入門資本論 小暮太一


小暮太一さまの、『超入門 資本論』より。





昨年から、『基礎の積み重ねの大切さ』を強調してきた。

すぐに身につくものは、すぐに真似をされ陳腐化する。

「楽して~」という考え方をしている人たちは沈む。

他人が真似できないほどの、圧倒的な練習を積み重ねるという基本を守るべきだと思う。


お手軽な道を選ばない方がいい。

自分自身が真面目に、真摯に、真剣に取り組むこと。

そうすれば、同じように真面目に、真摯に、真剣に取り組む人たちとつながれる。

お手軽な道を選ぶような人たちとつながっても、よいことなど何ひとつない。


地道にコツコツ積み重ねてきた者同士は、自然と惹かれ合う。

スペシャルな者同士の出会いは、お互いの人生を、際限なく豊かにしてくれる。


えらてんさんのTweet

実力がなければ、お話にならないと思う。

最悪なのは、こんな人間だ。


そして、こうなる。


人は、相手を攻撃しようとするとき、どうするか?

自分の劣等コンプレックスを相手に投影して攻撃しようする。

つまり、自分が発した言葉で自分が壊れていくことになる。

行き着く先は自滅だ。


上から目線になる原因はいくつもある。

なかでも、自己承認欲求が強い人の上から目線は鬱陶しい。

「すごいって言ってもらいたい」

「自分のことを認めて欲しい」、そんな理由によって、上から目線な態度や話し方になってしまう。

褒められたり認められたりする経験が少ない抑圧された人生を送っている人たち。

成長過程で抑圧された反動で自己承認欲求が高まりすぎる。

周囲から認めて欲しいがために上から目線になり、嫌われ抜く。

「自分は優秀である」と誇示しようとするが、誰の目にも劣等・拙劣・劣悪なのは一目瞭然。

まわりの人から距離を置かれ、孤立する。

謎にプライドが高く、発言を撤回したり謝罪したりすることはない。

壊れた人間関係を修復することができない。

謙虚さに欠けるので、どうにもならないのだ。


人を見下す暇があったら、鬼練すること。

コツコツと地道に練習を積み重ねた自分を信じること。

やらなければならいことから逃げた者は、何者にもなれない。

何者にもなれない人生はつらい。


何者にもなれなかった人間は、最初は他人を見下す。

嫌われて孤立すると、これまで見下していた眼が自分に向く。

自分こそ、見下されるべき存在であることを突きつけられる。

スルメロックさんのマンガの、地道に積み重ねることをしなかった者の哀れな姿に重なる。


自分で自分を褒め、慰めたところで、救われない。

自分だけは自分のことをわかっていると、何万回自分で慰めても惨めなだけだ。

本音では、まわりの人たちに認めて欲しくて、褒められたくてたまらないのだから。

救われたいなら、謙虚に積み重ねの日々を送るべきだと思う。


生きてさえいれば、何度でも再起できる。

他人が真似できないような積み重ねをする覚悟さえ決めれば、道は拓ける。

脊椎を1コずつ動かす(分節的運動)。

22日の神戸集中講座の様子。

20190622 神戸

20190622 神戸
ロールアップの楽しさに、笑顔がこぼれております。

動画は、安部塾オンラインサロンにリンクを貼っています。


脊椎を1個ずつ分節的に動かせると、手足・腕脚の動きが美しくなります。

身体機能は運動性(可動性)と安定性の調和によって成立しています。

均衡(バランス)がとれていれば快適だし、そうでなければ不快。

ロールアップ↔ロールダウンの反復が楽しいのは、バランスがとれてくるから。


ただし、間にバックエクステンションをはさみながら、正確な型と呼吸でやらないとですが。


ついでに言うと、精神的にも安定してきます。

これは、メリット大きいです。

人としての魅力は、精神の安定=心の余裕によるところが大きいですから。

解説は、今日の新宮校塾生講座で。

2019年6月21日金曜日

背中を反らす~バックエクステンションとバックベンドの違い~吐いて反るか、吸って反るか。

ハイパーエクステンションと、うつぶせのバックベンド

一見、同じに見える『反り(伸展)』だが、安部塾においては意味はかなり違う。

extensionとは、『伸長、拡張、延長、伸張』。

bendとは、『曲げる、曲げ戻す、折り曲げる、折る』。


バックエクステンション。

https://doctorlib.info/yoga/pilates/5.html

うつぶせのバックベンド(コブラのポーズ~Bhujangasana)

https://yogaanatomy.net/bhujangasana/

安部塾におけるバックエクステンションは、いわゆる『気をつけ(attention)』だ。

バックベンド(後屈)は、文字通り『後方に曲げる』である。


バッタのポーズ(Salabhasana)は、どちらの感覚でもやれると考えている。

https://yogaanatomy.net/salabhasana/
安部塾では、バックエクステンション系のテクニックを多用する。

姿勢の改善においては、その方が効果的だと考えている。

バックベンドは見た目が派手でアピール力がある。

安部塾は地味練を旨とするので、淡々とバックエクステンションにハゲむ。


同じように、ペルビックカール(Pelvic Curl~骨盤を巻く・丸める)と、半分の橋のポーズ(Setu Bandhasana)も、とらえている。

ペルビックカール
https://doctorlib.info/yoga/pilates/5.html
半分の橋のポーズ
https://yogaanatomy.net/dwipada-pitham/

すぐにわかる違いは呼吸。

吐いて反るか、吸って反るか。

見た目はよく似ていても、身体の使い方がまるで違う。

当然、得られる効果も違ってくる。


今日の新宮校レッスンと塾生講座、6月22日(土)の神戸集中講座、27日(木)の大阪集中講座で、このあたりの違いについて解説する予定。

お楽しみに

2019年6月20日木曜日

膝の伸ばしかた(立位体前屈のときなど)~膝のお皿(膝蓋骨)の引き上げを意識して大腿四頭筋を収縮させる

昨夜の塾生講座で、膝の伸ばしかたの解説をした。

よくある危険なイメージは、図の右側。

膝関節過伸展

「膝を後ろに向かって押す」というイメージは、ひざ裏の膝窩筋の機能によくない。

よい指導者のとこに習いにいくと、上図左側のイメージで指導されると思う。

いわゆる「お皿(膝蓋骨)の引き上げ」と呼ばれているテクニックだ。

ふともも裏のハムストリングスの拮抗筋である大腿四頭筋を収縮させるのだ。

お皿の引き上げイメージ
このイメージで膝関節を伸ばせば、膝関節を後ろに押し込む必要がなくなる。

こんな感じでハムストリングスを伸ばせると思う。

大腿四頭筋収縮・ハムストリングス弛緩

本来、立位体前屈は至福の動きだ。

それが苦痛になってしまうのは、苦痛を生み出すような身体イメージの結果だ。


あらゆる動きにおいて、陰陽の理を意識するといい。

原始太極図(陰陽の交流なし)
太極図(陰中の陽・陽中の陰)

いわゆる「りきみ(≒共縮)」の問題も、陰陽で考えるとわかりやすいと思う。

りきみとは、その動作に不必要な筋肉が収縮してしまう現象だ。

共縮を抑制するためには、拮抗筋の脱力を意識すればいい。

そして、主動筋を意識する。

りきんでしまう原因のひとつは、どこをどう使えばいいのかわからないからだ。

機能解剖学的に本来使うべき筋肉に意識を集中させれば脱力が可能になってくる。


りきめばりきむほど、動作が遅くなり、力が出なくなる。

そんな人をよく見かけると思うが、真似したいとは思わないだろう。

このタイプの人は、りきんだ末に疲れ果てて、「楽して~」に走る。

身体操作の破綻が、人生そのものに悪影響を与えていくのを観察できると思う。


具体的に、どうしたらいいのか?

日本では古来より『根性練』が採用されてきた。

正確無比な型を、圧倒的な練習量こなすことで、自然と効率的な身体の使い方に変わる。

安部塾ではそれに加え、圧倒的な機能解剖学の座学をこなす。


緊張と弛緩……陰陽が調和しつつ、交互に入れ替わる。

その姿は、時を忘れるほどに美しい。


太極動而生陽(太極動いて陽を生ず)
太極は動きを通して陽を生む。

動極而静(動くこと極まって静なり)
動きが極限に達すると、静まる。
 
静而生陰(静にして陰を生ず)
静を通して、太極は陰を生む。

静極復動(静なること極まって復動く)
静が極限に達すると、ふたたび動き出す。

一動一静、互為其根、分陰分陽、両儀立焉(一動一静、互に其根と為り、陰に分れ陽に分れて、両儀立つ)
動と静が交替し、互いに相手の根となりながら、やがて陰と陽という区別が生じて、そして二気が成立する。陰と陽とは、ふたつの別個の実体を持った存在ではない。一気が帯びるふたつの様態なのだ。


7月の東京集中講座で、武術とからめて、このあたりの解説をする予定。

ミット打ちを通して、陰陽の理を感じてもらおうと思う。

2019年6月18日火曜日

ふとももの裏(ハムストリングス)を鍛えよう~膝を守るための基礎知識

コアなファンのリクエストに応えて、もう2枚。

ハムストリングスを締めたバージョンの蛍の型。

宮崎某所
立位左右開脚(足関節底屈)
宮崎某所

背中のヒッティングマッスルが、元ストライカーの名残を残しているなと思う。

バルク(筋量)は激減しているが、形状は維持できている。


今月は、各地の講座でふとももの裏(ハムストリングス)の大切さを説いてまわっている。


股関節は、閉鎖筋・双子筋・梨状筋などが複雑に支持してくれる。

これらの筋肉が、股関節の安定したポジションを維持してくれるのだ。


一方、膝関節には、これらのような筋肉がない。

ハムストリングスが、安定した膝の伸展のために頑張る。

ハムストリングスの付着が、大腿四頭筋よりも関節中心に近い理由だ。

そして、ハムストリングスは、大臀筋と協調して股関節の伸展も担う。


内側ハムストリングスを鍛えることで、膝関節が安定する。

鍛えずに伸ばしてばかりいると、膝関節がノーガード状態になることがある。

開脚ブームで、内転筋と内側ハムストリングスを過剰にストレッチして膝が壊れたという現象があったが、メカニズムを考えたらすぐに理解できるはずだ。

機能改善訓練は見た目のやわらかさだけではなく、安定性を重視して行う方がいいと思う。


安部塾では、ストレッチングより筋力トレーニングを優先する。

フルレンジでトレーニングすれば、柔軟性はじゅうぶんに確保できる。

正確なフォームで丁寧に鍛えるといい。

まったくブレなくなった膝の快適さは、筆舌に尽くし難い。


通常の安部塾のレッスンでは、地道な基礎動作の反復訓練しかしない。

しかし、積み重ねれば、上の写真のレベルまでは到達可能だ。

こちら側の感覚世界は繊細で楽しいので、しっかり積み重ねてこちら側の人になって欲しい。

各地の会場で、ともに積み重ねていこう。

2019年6月17日月曜日

50過ぎのおっさんのヨガ写真など

数か月前、宮崎の写真家さんに写真を撮っていただきました。

そのデータをいただいたので、自宅のパソコンで見ています。

2枚だけ紹介します。

宮崎某所

宮崎某所

40代半ばで撮った写真と比べて、いい感じのおっさんになったなと(笑)。

思ったのが、身体操作能力が年々伸びているのに対して、顔は普通に老けているっているということ。


写真のモデルとしては、いろいろなんとかしなきゃなと思いつつも、こんな感じで醜態さらしてみるのも悪くはないなと思えたり。

50歳以降は余生みたいなものなので、積み重ねてきたありのままを見せていこうかなという結論に至りました。


撮影の合間の一枚。

宮崎某所

ポージングしている写真もいいけど、いつも通りの気の抜けた写真もいいなとか。


某写真家さん、ありがとうございました。

2019年6月11日火曜日

悪い姿勢=楽な姿勢。筋力を必要としない楽な姿勢を避ける。

楽な姿勢が悪い姿勢ではない?姿勢のホントより

よい姿勢について説明します。通常、背骨は横から見るとS字カーブを描いていますが、このS字をできるだけ維持できる姿勢がよい姿勢です。胸をはり、背筋をまっすぐ伸ばすと、自然と背骨はS字カーブを描きます。つまり、これが正しい姿勢であり、理想的な姿勢です。

猫背やうつむきがちな姿勢では、背骨がC字状に曲がってしまいます。これは悪い姿勢と言えます。

自然に背筋が伸びた状態で生活できればそれに越したことはありませんが、背筋を伸ばすには、普段使わない筋肉を使う必要があります。そのため、慣れていない方にとっては、非常に疲れる姿勢であり、継続が難しいです。そこで、「よい姿勢」を続けることと同様、「悪い姿勢」を避けることが重要になってきます。

一般的に、悪い姿勢とは「楽な姿勢」です。デスクに向かう際、猫背になったり、ソファに深くもたれかかったりしてしまうのは、その姿勢が筋肉を必要としない、「楽な姿勢」だからです。

しかし、楽だからこそついつい同じ悪い姿勢を長時間キープしてしまいます。このせいで同じ部位に静力学が集中して働き、その結果、骨盤の後傾を引き起こしてしまうのです。

つまり、悪い姿勢がなぜ悪いかといえば、もちろん「形状」としてその姿勢が身体に悪影響を与えるということもありますが、同じ姿勢を長時間キープしてしまうからです。静力学がある部分に集中して負担がかかり続け、骨盤を傾けてしまうために悪い姿勢なのです。

悪い姿勢から学ぶ理想的な姿勢とは?より

よい姿勢とは一体どのような姿勢のことを指すのでしょうか。まず、よい姿勢は大きく2つに大別できます。解剖学的によい姿勢と、機能的によい姿勢です。

解剖学的によい姿勢とは、背骨が自然なS字カーブで骨盤が立ち、背筋がピンと伸びた状態です。人間の背骨は、1歳前後で理想的なよい姿勢の元になる「生理的S字カーブ」の形が完成します。これが完成してはじめて、重い頭をバランスよく支えることができ、二足歩行が可能になります。この姿勢は、重心が身体の中心にあるという点で正しい姿勢ということができます。しかし、解剖学的によい姿勢を維持するには体幹筋が必要で、慣れないうちは非常に疲れます。

一方、機能的によい姿勢とは、姿勢を維持するときに筋肉の過度な緊張がなく、深部筋と表層筋の筋力のバランスがよい状態です

引用ここまで


安部塾の身体操作技法の種類は数限りない。

『同じ姿勢を長時間続けることを避ける』というのは、安部塾の基本中の基本。

『良い姿勢を維持できるだけの圧倒的体幹筋力』もデフォルト。

そして、ふわっふわの筋肉で身体をコントロールするバランスの良さが身上。


ホンモノの指導者を見分けるのは簡単だ。

身体に触れさせてもらえば秒でわかる。

ずっと触っていたいくらいの、圧倒的触感の筋肉に身を包まれているはずだ。

その動きは息を吞むほどなめらかで美しい。


何を言っているかではなく、実際の身体を見て、そして触れてみれば真贋はすぐにわかる。

きちんとした身体をつくるのには、気が遠くなるような反復練習が必要だ。

積み重ねてきたものの重さと厚みが実感できる指導者に師事するといい。

本来は数十年かかる訓練を、数年で駆け抜けることができるはずだ。

2019年6月8日土曜日

腹筋とハムストリングス(ふともも裏)の調和した収縮(フォースカップル)~美しいお腹とふともも

腹筋ーハムストリングスのフォースカップル

 フォースカップルとは、関節の軸に対して異なる位置にあるが、一緒に作用して同じ方向の回転や関節運動を起こす筋肉である。マットワークで特に重要なものは、腹筋ーハムストリングスのフォースカップルである。腹筋の下部は骨盤に付着しているため、腹筋が収縮すると、骨盤が後傾する。同様に、ハムストリングスは骨盤の後下部に付着しているため、やはり骨盤を後傾させる。両者は骨盤の反対側に位置していながらも、ともに骨盤を後方に回転させるという同じ運動を起こす作用をするわけだ。このフォースカップルは望ましくない骨盤の前傾を防ぎ、ニュートラルな骨盤を保つために使われる。「腹筋の下部の付着部を引き上げながら、ハムストリングスを下に引っ張ることに集中する」などのアドバイスも、このフォースカップルを働かせるためである。
ピラーティス・アナトミーラエル・イサコウィッツ (著), カレン・クリッピンジャー (著), 中村 尚人 40Pより

 このエクササイズで骨盤と脊柱が望ましいアーティクレーションを達成するには、ハムストリングスの適切な収縮が不可欠である。ハムストリングスの3つの筋肉は大腿後面を座骨から膝関節の下まで走っている。仰臥位で足をマットにつけて行う閉鎖運動連鎖のエクササイズでは、ハムストリングスが、脚を動かすのではなく骨盤を持ちあげることによって股関節を伸展させる。骨盤底を持ち上げることに集中すると、この重要なハムストリングスを使いやすくなり、体幹を可動性のないユニットであるかのようにまとめて持ち上げたり、腰が反ったりするというよくある誤りを防ぐことができる。
ピラーティス・アナトミーラエル・イサコウィッツ (著), カレン・クリッピンジャー (著), 中村 尚人 51Pより 


今日の新宮校集中講座と、明日の下関集中講座で呼吸の解説をする。

感覚をつかむのに、ぺルヴィックカールを使う。

息の吐きはじめに、骨盤底筋を引き上げつつ腹壁を脊柱に引き寄せる。

腹横筋が始動し、続いて他の腹筋群が収縮して骨盤が後傾する。

脊柱を構成する椎骨が、ひとつひとつマットからはがれるように持ちあがる。

足の裏をマットにぴったりとつける。

坐骨を膝下のほうに軽く引っ張る。

骨盤底を持ち上げる感じで、ハムストリングスを収縮させる。

深層で骨盤底筋と腹横筋が作用しているのを感じる。

これが精密にコーディネートできると至福だ。


腹筋とハムストリングスの収縮が調和していない人は不しあわせだと思う。

不幸な人は過去のことや不満について話したがります。話が尽きてしまった時は、他人のことや噂話にまで広がります。
出典 不幸な人に共通する「7つの習慣」。幸せを遠ざけているのは、あなた自身です | TABI LABO

前向きな習慣は、中間位(中立位:ニュートラルポジション)から生まれる。

フォースカップルの力をなめてはいけない。


自分のコアの安定とバランスの強化、パワーユニットの錬磨に集中すること。

今日・明日と、呼吸について熱く解説したいと思う。

2019年6月7日金曜日

レッスンバーを2セット追加しました。計7名同時に立ち稽古(スタンディングポーズのプラクティス)が可能になりました。

先日、新宮校実技室でレッスンバーを使って立ち稽古をしました。

高さ100cmのバーでは、高過ぎることが判明。

高さ85cmに設定し直しました。

100cmのバーを1セット、85cmのバーを1セット追加。

合計、100cmのバーが3セット、85cmのバーが4セットになりました。

新宮校実技室 レッスンバー(高さ100cm)

新宮校実技室 レッスンバー(高さ85cm)

余裕をもって、7名同時に立ち稽古できるようになりました。

※フロア(マット)ワークの定員は5名、バーワークの定員は7名となります。

華麗な(?)、立ち技の練習ができるかと思います。

『立ち姿勢時の骨盤や脊柱などを精密にコーディネートする』という目標に向かいます。


早速、明日の新宮校集中講座での呼吸のワークを立位でやりたいと考えています。

ただ……ユニットバスと脱衣所の工事が伸びてしまって、1階部分は明日も絶賛工事中。

トイレは問題ありませんが、台所が使えません。

参加者には御迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

「吸気(吸息・吸う)は陰」「呼気(呼息・吐く)は陽」・「腹式呼吸は陰」「胸式呼吸は陽」

呼吸と陰陽のお話。

基本的には、「吸気(吸息・吸う)は陰」「呼気(呼息・吐く)は陽」とされている。


陰陽論では、この世の森羅万象を陰と陽に分ける。

陰陽のバランスがとれているか、いないかによって、あらゆる現象の生成や変化を知る。

陰と陽それぞれが独立して存在するのではない。

陰があるから陽があり、陽があるから陰があると考える。


この世の始まりは「混沌」の状態。

の混沌の中からまず明るく澄んだ「陽」の気が上昇して「天」になった。

次に、暗く濁った重い「陰」の気が下降して「地」になった。

混沌から生まれた陰と陽は、常に密接な関係を保ち、お互いに影響し合っている。


対立した存在でありながら依存し合い、密接に往来し交わる。

そして、事物が発生し、変化を繰り返し、この世界のバランスを保っている。


陽が盛んになれば陰が衰え、陰が盛んになれば陽が衰える。

陰と陽が交われば新しいものが生まれる。

こうして、森羅万象が休むことなく盛衰を繰り返す。

陰と陽、どちらか一方が無くなれば変化は生じない。

残った一方の働きも終息してしまう。

この世の事象すべては、「陰(-)」と「陽(+)」という対立した形で保たれている。

陰陽の対立と和合によって、万物の生成と衰滅がある。


「吸気(吸息・吸う)は陰」「呼気(呼息・吐く)は陽」


「副交感神経・末梢神経は陰」「交感神経・中枢神経は陽」 ※逆の説の方が一般的かも


「腹式呼吸は陰」

腹式呼吸では、息を吸うとお腹が膨らむ。副交感神経が働き、身体を休息状態にする。

「胸式呼吸は陽」

胸式呼吸では、息を吸うと胸が膨らむ。交感神経が働き、身体を緊張させる。


ストレスがかかると、交感神経が常に緊張状態となる。

交感神経は「闘争と逃走の神経」。


例えば、大きな刺激を連続して繰り返し受けると、交感神経が緊張する。

毛細血管が締めあげられ、血流が悪化し、筋肉細胞が酸欠状態になる。

血液中の血漿(けっしょう)にブラジキニン(痛み物質)が溢れる。

この痛み物質が神経の先端についているセンサーに反応し、「痛み」を感じる。


交感神経が優位な状態が続いている人が、いつも体調が悪く、不要な痛みを感じている理由。

※正しい知識を拒絶するため、改善しづらい。


陰陽の知識がある人はどう対処するか?

①腹式呼吸を選択

②鼻からゆっくりと息を吸う

浅い呼吸は交感神経を、深い呼吸は副交感神経を優位にするからだ。


と、ここまでこの記事を読んだ人は「?」となっているはずだ。


自律神経の切り替えについての原則は、

「吸う → 交感神経」「吐く → 副交感神経」だったはずでは?

意識的に息を吐く時間を長くすることで副交感神経優位の時間を長くするのが基本では?

その通りだ(笑)。


体内の呼吸中枢と肺の伸展受容器の機能を学べばすぐにわかる。

息を吸ったときに交感神経は活性化し、息を吐いたときに副交感神経が活性化する。

理論上、吸う長さと吐く長さを同じにすれば、自律神経のバランスが整うことになる。

この理由で、落ち着きたいときは「吸う:吐く=1:2」にするのが基本とされている。


陰陽論と逆じゃないか?


よく考えてみよう。

ゆっくり息を吐けば吐くほど副交感神経を優位に活性化できる。

これは、「吸う=陰・吐く=陽」に矛盾しない。

ややこしいのだが、「ゆっくり吐く~陽の抑制~陰」ということなのだ。


再度、呼吸を見つめ直してみよう。

①みぞおちをゆるめてふくらませつつ、鼻から息を吸う。

②吸う息の倍の時間を意識してゆっくり、口から息を吐き、みぞおちをへこませる。

数呼吸正しく繰り返せば、その効果はすぐにわかる。


明日の新宮校集中講座と9日の下関集中講座で、安部塾初となる『慢性痛抑制呼吸』を解説したいと思う。

効能をうたうと医師薬事法に抵触するので、『慢性痛を抑制するらしい呼吸』にしておく(笑)。

「吸息は交感神経支配・呼息は副交感神経支配の原則」に基づいた内容となる。

みぞおちをゆるめる意味とともに、本物の至福メソッドについて解説したいと思う。

2019年6月5日水曜日

身体操作と易経(変化の書~時と兆しの専門書)~身体操作技法指導者は占わず

オンライン講座で、易経の解説を始めた。

太極

身体操作技法を学ぶ者は、易経を読んだ方がいいと思う。

変易、不易、易簡を知ることで、動作が安定する。

機能解剖学は、不易にあたる。

一定不変の法則があるからだ。


そして、その法則はとても易(やさ)しい。


どんなことでもそうだが、「時」を読めないと行き詰まる。

「兆し」がわからないと、反省すらできない。


うまく動けない人を観察してみると、共通する要素がある。

「いま、それやるタイミング?」というタイミングで、「やりたいことをやる」のだ。

そして、「やるべきこと」はやらない。

変化の流れに逆行しているので、動くことができない(動きの精度が狂いすぎる)。


うまく動けている人は、タイミングが合う。

変化の流れに順応し、動きの精度が高い。


現在の身体操作界では、固有受容器系のネタが盛んだ。

しかし、時と兆しがわかっていない者は、活かすことはできない。

「やるべきこと」をやらずに「やりたいこと」をやろうとするからだ。

どのタイミングで何をやるかが間違っていたら、何の役にも立たないのだ。


懐かしいところで、



いい歌だと思う。



中西圭三さんの歌も素敵。

無限ループで聴くといいかもしれない。


タイミングを外している本人は、外していることがわからない。

というより、生まれてからただの一度もタイミングが合ったことがないのだ。

いつも外れているので、タイミングが合うということがどういうことなのかがわからない。

だから、易経の価値もわからない。


変化には、一定不変の法則がある。

何ひとつ隠されてはいない。

素直に法則を学ぶ者は、時と兆しを知ることができる。

姿勢と身体の動きが美しくなっていく。


変化についていけない理由のほとんどはエゴイズム。

動きたいように動こうとして破綻する。

肥大した自意識は厄介。

現実から乖離(かいり)しているのだから動けるはずがない。


変化についていける人は、先を読んで自分の身体を流れに載せる。

刻々と変化する流れの中の一定不変の法則を読みとり、シンプルに自分を合わせる。


基本は『捨己(しゃき)』なのだ。

結果が出せる人は総じて、捨己の人である。


7日までユニットバス工事のため、新宮校がお休みしている。

これは陰。

薬院校閉校後、これまでの期間、活動をセーブしている。

これも陰。


陰は悪いものではない。

オンライン講座で、これから少しずつ解説していこうと思う。