楽な姿勢が悪い姿勢ではない?姿勢のホントより
よい姿勢について説明します。通常、背骨は横から見るとS字カーブを描いていますが、このS字をできるだけ維持できる姿勢がよい姿勢です。胸をはり、背筋をまっすぐ伸ばすと、自然と背骨はS字カーブを描きます。つまり、これが正しい姿勢であり、理想的な姿勢です。
猫背やうつむきがちな姿勢では、背骨がC字状に曲がってしまいます。これは悪い姿勢と言えます。
自然に背筋が伸びた状態で生活できればそれに越したことはありませんが、背筋を伸ばすには、普段使わない筋肉を使う必要があります。そのため、慣れていない方にとっては、非常に疲れる姿勢であり、継続が難しいです。そこで、「よい姿勢」を続けることと同様、「悪い姿勢」を避けることが重要になってきます。
一般的に、悪い姿勢とは「楽な姿勢」です。デスクに向かう際、猫背になったり、ソファに深くもたれかかったりしてしまうのは、その姿勢が筋肉を必要としない、「楽な姿勢」だからです。
しかし、楽だからこそついつい同じ悪い姿勢を長時間キープしてしまいます。このせいで同じ部位に静力学が集中して働き、その結果、骨盤の後傾を引き起こしてしまうのです。
つまり、悪い姿勢がなぜ悪いかといえば、もちろん「形状」としてその姿勢が身体に悪影響を与えるということもありますが、同じ姿勢を長時間キープしてしまうからです。静力学がある部分に集中して負担がかかり続け、骨盤を傾けてしまうために悪い姿勢なのです。
悪い姿勢から学ぶ理想的な姿勢とは?より
よい姿勢とは一体どのような姿勢のことを指すのでしょうか。まず、よい姿勢は大きく2つに大別できます。解剖学的によい姿勢と、機能的によい姿勢です。
解剖学的によい姿勢とは、背骨が自然なS字カーブで骨盤が立ち、背筋がピンと伸びた状態です。人間の背骨は、1歳前後で理想的なよい姿勢の元になる「生理的S字カーブ」の形が完成します。これが完成してはじめて、重い頭をバランスよく支えることができ、二足歩行が可能になります。この姿勢は、重心が身体の中心にあるという点で正しい姿勢ということができます。しかし、解剖学的によい姿勢を維持するには体幹筋が必要で、慣れないうちは非常に疲れます。
一方、機能的によい姿勢とは、姿勢を維持するときに筋肉の過度な緊張がなく、深部筋と表層筋の筋力のバランスがよい状態です
引用ここまで
安部塾の身体操作技法の種類は数限りない。
『同じ姿勢を長時間続けることを避ける』というのは、安部塾の基本中の基本。
『良い姿勢を維持できるだけの圧倒的体幹筋力』もデフォルト。
そして、ふわっふわの筋肉で身体をコントロールするバランスの良さが身上。
ホンモノの指導者を見分けるのは簡単だ。
身体に触れさせてもらえば秒でわかる。
ずっと触っていたいくらいの、圧倒的触感の筋肉に身を包まれているはずだ。
その動きは息を吞むほどなめらかで美しい。
何を言っているかではなく、実際の身体を見て、そして触れてみれば真贋はすぐにわかる。
きちんとした身体をつくるのには、気が遠くなるような反復練習が必要だ。
積み重ねてきたものの重さと厚みが実感できる指導者に師事するといい。
本来は数十年かかる訓練を、数年で駆け抜けることができるはずだ。