ファッシャルリリーステクニック 医道の日本社 より引用します。
脊柱起立筋(スーパーフィシャルバックライン)
当然ながら、脊柱起立筋は脊柱や胸部の位置にさまざまな影響を与えている。まずは矢状面におけるバランスを整える必要がある。これは、屈曲や伸展のさまざまな角度に対応するためであり、脊椎の第1カーブと第2カーブのバランスを整えるためである。
脊椎が屈曲し、脊柱起立筋の筋膜が制限されていると、脊柱起立筋は棘突起から遠ざかるように外側に移動する傾向がある。
脊椎が比較的伸展している時は、逆の現象が起こる。脊柱起立筋の筋膜が、棘突起に向かって近づくように作用している。
脊柱起立筋の組織を、より自然な位置に戻すことは有益であり、時にはそれだけで効果的となる。
脊椎の過剰な弯曲(前方への屈曲)により、組織が外側に移動している場合は、組織を内側に引っ張る。
反対に内側に移動しているなら、棘突起から遠ざけるように引っ張る。
引用ここまで
脊柱屈曲時、脊柱起立筋の筋膜が棘突起から遠ざかる。 脊柱伸展時、脊柱起立筋の筋膜が棘突起に向かって近づく。 |
手技療法家にはよく知られていることですが、背中が丸まっている人は上腹部をほぐし、背中が反っている人は背部をほぐします。上図の矢印の逆方向になります。
腰部がわかりやすいと思いますが、腰が丸まっている人の腰椎の棘突起は脊柱起立筋から飛び出していますし、腰が反っている人の腰椎の棘突起は、脊柱起立筋の中に埋まって、めり込んでいます。
猫背+反り腰では、こうなっています。
猫背+反り腰 |
まれに、背中が反りすぎ、腰が丸まりすぎて、脊柱の生理的弯曲を失っている人を見かけます。下手なバレエダンサーなど、無理やり脊柱を真っ直ぐにしようとする人によく起きている問題です。