2021年5月12日水曜日

ハンマー趾(槌趾)/鷲爪趾/足の痛み(足背)と長趾伸筋・長母趾伸筋

 

長趾伸筋・長母趾伸筋

■長趾伸筋

起始:脛骨上端外側顆、腓骨前縁、下腿骨間膜

停止:第2趾~小趾の趾背腱膜と末節骨底

作用:第2~5中足趾節関節と趾節間関節の伸展、足関節の背屈、足部の外返し

 長趾伸筋は前脛骨筋の外側部に沿っています。その主機能は外側4趾の伸展です。その筋腹は遠位端で4つの異なった腱に分岐し、足部上部の中節骨と末節骨で停止します。すべての遠位関節に停止していることによって、中足趾節関節や趾節間関節などのつま先部の伸展が可能となります。

 長趾伸筋は下腿前方全面を縦断し、足関節にも影響を与えます。足部が遊離していても固定されていても、足関節の背屈動作で前脛骨筋と長母趾伸筋を補助します。下腿と足部の外側に位置するので、足部の外返し時には腓骨筋を補助します。

■長母趾伸筋

起始:腓骨前方中央、腓骨中央骨間膜

停止:母趾末節骨基部の背側

作用:母趾中足節関節と趾節間関節の伸展、足関節の背屈、足部の内返し

 長母趾伸筋は前脛骨筋と長趾伸筋の間に沿っています。それらの2つの筋肉より深層に位置し、触知するのが困難です。その主機能は母趾の伸展です。筋腹はわずか外側に沿って、収束された腱は伸筋支帯を通ります。その腱は、母趾末節骨に停止する手前で内側方向に曲がっています。すべての遠位関節に停止しているので、中足趾節関節や趾節間関節などのつま先の伸展が可能となります。

 足部が遊離していても固定されていても、足関節の背屈動作で前脛骨筋と長趾伸筋を補助します。長母趾伸筋が伸筋支帯で屈折することで、足部の内返しにも影響を与えます。その際は、前脛骨筋、後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋を補助します。筋肉の曲がりは、前脛骨筋や深部後方の筋群による足部の回内に対する調整も可能にします。

※参考文献「ヴィジュアル機能解剖 南江堂」

ハンマー趾・鷲爪趾

適応:ハンマー趾(槌趾)/鷲爪趾/足の痛み(足背)/母趾の痛み/夜間のこむら返り/前側コンパートメント症候群/下垂足

※参考文献「トリガーポイント治療 緑書房」