マット上で、「あおむけ」「よこむき」「うつぶせ」で行うシークエンスです。
すべての関節の動きを最適化することを目的とします。
当然のことですが、全身のすべての関節が練習の対象となります。
体位は、床に寝た状態で行います。
・仰臥位(ぎょうがい)=背臥位(はいがい)=あおむけ
・側臥位(そくがい))=横臥位(おうがい)=横向き
※右側を下にした姿勢を右側臥位・左側を下にした姿勢を左側臥位といいます。
・伏臥位(ふくがい)=腹臥位(ふくがい)=うつぶせ
蛇のように這(は)って行うので、蛇(へび)の古語である「かがち」から命名しました。
吉野裕子先生は、「日本の土俗のマツリの根幹には『蛇』がある」と書いてあります。
僕たち日本人は、動きを蛇に見立てるという能力があります。
日本人のための身体操作を考えるとき、この点は外せないと思います。
『Kagachi』命名の、きっかけは『香々地(かかぢ)』です。
大分県豊後高田市香々地 夷谷 |
山脈が蛇の這う状態をしています。
「床で身体を研磨する(フロアワーク)」ということを考えたとき、香々地の山のイメージが浮かびました。
そして、2018年の大晦日に、龍神社前にて華鳥風月の舞を降ろさせていただきました。
舞を降ろす二人を見つめながら、「Kagachiを本気で仕上げたい」と感じました。
安部塾身体操作技法IBUKIで舞う二人も美しかったのですが、香々地で舞うのであれば身体操作技法Kagachiで舞を降ろすのが道だと思いました。
安部塾の身体操作のテーマとして、「日常の動作のすべてが舞となる」というのがあります。
「舞うように生きる」のが、僕が考える身体操作の究極形態です。
舞うために必要な基礎とは何か?
『這(は)いの動き=這うという動作』です。
最近ではスポーツトレーニングの世界で、発育・発達の解説がなされています。
薬院校開校当時の安部塾でも、その視点でさまざまな動作をしてきました。
同様に、トカゲの動きも流行しました(武術の世界の『這い』も含みます)。
そんな中、「やはり、蛇の動きを目指すべき』だという想いが強くなりました。
僕たちは、蛇をまつってきたDNAをもつ日本人です。
その誇りを、忘れてはならないと思ったのです。
とはいえ、別にクネクネするわけではありません。
すべての関節の動きを最適化するために、設計された機能通りに関節を動かします。
結果として、蛇のような動きができるようになりますが、それはあくまで結果です。
プロメテウス解剖学を基礎に据え、正確無比な身体操作を目指します。
シークエンス化したので、自主練習が捗(はかど)ります。
福岡以外の各地では、2月よりKagachiのシークエンスを降ろします。
楽しみにお待ちください。