9月30日(日)は、下関集中講座で、
筋ほぐし(筋・筋膜トリガーポイントセラピー)の解説をします。
思いやりのあるパートナーに恵まれると、驚異的に身体が軽くなります。
安部塾東京トリガーポイントセラピー |
再三再四書いていますが、鍵となるのは『適正圧』です。
そして、障害になるのは、施術側の『自己受容感覚と脳の機能』です。
正確に身体を動かせない人は、うまく相手に触れることができません。
脳の運動結果予測の誤差が大きすぎて、相手にダメージを与えてしまうのです。
詳細はこの記事を → 身体運動は予測制御によって実現されている
予測誤差を低下させ、限りなく0に近づけることができる人のタッチには、思いやりがあります。
予測誤差を低下させることができない人のタッチは乱暴で、思いやりがありません。
この場合の愛は、「思いやり」です。
予測誤差を低下させれない理由でよくあるのが「支配欲」です。
支配欲が強い人は、トリガーポイントを押して潰すようなイメージで圧します。
当然の結果として、相手の身体は破壊されてしまいます。
思いやりがある人は、相手の反応をモニタリングしながら、そっと圧します。
筋・筋膜が解放されてバランスがとれ、身体が軽くなります。
北風と太陽ですね。
北風と太陽 |
まず、北風が力いっぱい吹いて上着を吹き飛ばそうとする。しかし寒さを嫌った旅人が上着をしっかり押さえてしまい、北風は旅人の服を脱がせることができなかった。
次に、太陽が燦燦と照りつけた。すると旅人は暑さに耐え切れず、今度は自分から上着を脱いでしまった。
手っ取り早く乱暴に物事を片付けてしまおうとするよりも、ゆっくり着実に行う方が、最終的に大きな効果を得ることができる。
引用ここまで
按手の達人たちはみな口をそろえて、「思いやりが大切」と主張します。
按手の達人たちはみな『聴き上手』です。
やたらと指示ばかりする人には思いやりがありません。
思いやりがある人は、まず相手のことをしっかりと観察します。
それは、相手に共感できる能力があるということです。
共感できないことには、思いやることはできません。
思いやりとは、相手の感情を理解し、それに従って行動することです。
真摯に相手に向き合って情報を集め、それに基づいて理性的に行動することなのです。
純粋な思いやりの心=真心からくる『思いやりの行動』は連鎖します。
思いやりの心には返報性があります。
なので、自分自身もしあわせな気持ちになります。
そして、思いやりの心がある人たちが、まわりに集まってきます。
トリガーポイントセラピーでは、ジャンプサインを手掛かりにすることがよくあります。
相手の筋肉の単収縮反応や表情の変化をしっかり観察し、感覚を総動員するのです。
そうすることで、適正圧の誤差を極限まで0に近づけます。
眼の完全矯正が不可欠なように、筋肉への適正圧も完全であるべきなのです。
具体的には、どうしたらいいのでしょうか?
さっきの記事で『型』の解説をしました。
「思いやりのある人(気持ちよく付き合える人)の行動を真似すること」が大切です。
筋・筋膜トリガーポイントセラピーの達人の行動を真似ればよいのです。
思いやりの心のレベルが高い人は、すごいことをサラッとやってしまいます。
その動きは的確で、誤差の修正がの必要がありません(誤差がないから)。
思いやりのレベルが低い人には、破壊的な圧し方をします。
その動きは的確さに欠け、修正不能な誤差の数値を記録します。
相手を観察していないので、当然と言えば当然のことなのですが、物凄い誤差です。
そして、その誤差を修正しようともしません(認知していないから)。
脳のセルフモニタリングの能力が鍵となります。
考え方として、日々の動きを繊細な身体操作で行うことで動作予測の誤差をなくします。
そして、高いモニタリング能力を駆使して、相手の筋肉の状態を探ります。
自分の身体の動作予測の誤差すら修正できない状態では、相手の筋肉の状態がわかりません。
わからないならわからないなりに、謙虚に愛をもって触れればいいのですが、それもしません。
優れた手技療法家は、身体操作においても優れています。
自分の身体を丁寧に使う脳の能力を用いて、相手の身体をほぐしているからです。
力づくで相手を変えようとする人は、自分の身体も力づくで動かしています。
結果、炎症反応に悩まされ、慢性痛を抱えることになっています。
詳しいことは、慢性痛のサイエンスを、お読みください。
筋肉は負の情動の悪影響をモロに受けるため、単に物理的なアプローチだけをしても結果が出ません。
人は、希望によって生きます。
→ パンドラの壷
パンドラの壷 |
慢性痛のサイエンスの182Pに、パンドラの壷の「希望」の解説があります。
「今日まで、私たちがどんな災難に遭って途方に暮れたときでも、希望だけは決して私たちを見捨てることはない。そして私たちが希望を失わない限り、いかなる不幸も私たちを零落させることはない」185P
パンドーラー |
私も、慢性痛の克服の鍵は「希望」だと考えています。
脳機能の終着点は、「希望」。
そして、それを理解できる「修正誤差0の脳」を育てるのが「筋ほぐし」だと思います。