2017年8月12日土曜日

「人はなぜ愛するか?」~愛を感じる心を取り戻せない身体操作指導に、私は何の意味も見出せません~ティーチング・ピラティス解説2日目

今日も、ティーチング・ピラティスを解説しました。

お盆集中講座 20170812


1994年の、「人はなぜ愛するか?」を、みんなで観ました。

NHKスペシャル 驚異の小宇宙 人体II 脳と心 第4集 人はなぜ愛するか~感情~ [DVD]


参加者のために、内容をまとめてみます。


脳の中心部にあって情動をつかさどっている大脳辺縁系

愛と関係の深い神経伝達物質……ドーパミン。

A10という神経の束を通って流れていくドーパミン。

神経末端で,シナプス間隙にドーパミンを放出。

対岸のドーパミンレセプターがドーパミンを受けとめ興奮。

脳内で快感を生み出す仕組み。


ドーパミン神経が興奮すると、自律神経系に作用し、心臓が高鳴り、頬は紅潮して、目が潤む。


好き嫌いはどこから生まれるのか?


扁桃体という構造体から。

好き嫌いを判断するのは扁桃体の働き。

扁桃体から視床下部を経て前頭葉へと信号が流れていく。


好き嫌いの形成には、幼児期の体験が重要な役割を果たす。

この時期に脳は急速に容量を増し,神経細胞どうしをつなげていく。


うつ病の母親に育てられる赤ちゃん。

うつ病の母親は、優しく赤ちゃんをあやすことができない。

強い刺激を与え続けてしまう。

結果,赤ちゃんも,母親と同じような脳の活動状態=うつ病になる。


抑圧されていた無意識的な怒りを表出し、ありのままの自分を相手に受けとめてもらう。

そうすると、しこりがとれたように良い関係を持つことができるようになる。


親子を結びつける感情は、ドーパミンだけでなく、オキシトシンという物質が関係する。

脳内で,ドーパミンに刺激されて,他の個体との結びつきを求める行動を引き起こす。


前頭葉は、A10神経の終点であり、知性や想像力などの高次の機能を司る。

本能を超えた,崇高な愛が育つ。

人と人が強い愛で結ばれるのは、前頭葉の働き。

ドーパミンが、視床下部→扁桃体→前頭葉に至り,人の愛が完成する。


人の感情の基本は幼児期につくられます。

5歳くらいまでの間に、親からどのような愛情を受けたか?

受けた愛情によって、その人の性格がつくられます。

人の脳は、5歳くらいまでの間に成長し、完成に向かうからです。


1歳くらいまでに、脳の体積は約2倍になります。

そして、3歳から4歳までの間に脳の隅々に神経細胞がのびていきます。

この過程で脳にどんな刺激を受けたかで、ボトムラインが決まるのです。


子育てに愛情が不足していると、脳も身体も発達が遅れてしまいます。

子供が起こす社会問題は、愛情の不足が原因であることが多いのです。

感情のコントロール能力は、幼児期の育てられ方によって決まります。

子供自身のせいではなく、5歳くらいまでに育った環境が悪かったのです。


母親の愛に恵まれなかった人が、愛を感じる心を取り戻していく過程。

それこそが、美しい身体操作の練習そのものなのです。


愛を感じる心を取り戻せない身体操作指導に、私は何の意味も見出せません。

身体機能の改善は、愛を感じる心を育てるためのものだと、私は考えています。