2023年6月15日木曜日

胸椎の回旋と腕振り。胸椎の回旋可動域が制限されてしまうと、腰椎での代償動作が出てしまい、腰を傷める原因となる。

 

胸椎の回旋

 各地で、腕振りを指導しております。腕を振る目的のひとつに、胸椎の回旋があります。椎間関節の構造の関係で、体幹の回旋動作は胸椎で起こり、腰椎ではほとんど起こりません(腰椎部での長軸回旋は、わずか5°)。胸椎の動きに問題があると、首や腰に過度の負担がかかり、傷害の原因となります。胸椎の回旋可動域が制限されてしまうと、腰椎での代償動作が出てしまうためです。

 加えて、肩甲骨の内転の動きが重要です。肩甲骨の内転の動きができない場合、他の部位で代償してしまうために各所に痛みが出たり、パフォーマンスが下がり続けるといった問題が生じます。

 例えば、蹴る動作では、胸椎の回旋とともに肩甲骨の内転動作がパワーと安定性の向上による高い精度の全身の動きを可能にします。試しに、蹴り足と反対側(軸足側)の肩甲骨を内転させるように意識してみましょう。蹴りが伸びるのがわかるかと思います。胸椎の回旋・肩甲骨の内転動作に問題がある人の多くで、膝を不安定にさせるという代償動作が生じており、姿勢の崩れとともに傷害が頻発しています。

 腕振りには、上あごからの下行性運動連鎖の振り方と、足底からの上行性運動連鎖の振り方があります。いずれの場合も、腰椎の回旋の動きをインナーコアユニットで抑えて、胸椎の回旋と肩甲骨の内転を意識します。正しく腕が振れると、身体機能が著しく向上します。

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