2016年頃に、『マインドセット』という言葉が流行しました。「無意識の思考のクセ・思い込み」という感じの意味になるかと思います。これまで自分が生きて生きた人生における経験や受けてきた教育、先入観からつくられている思考パターンや固定化された考え方ということになります。
マインドセット「やればできる! 」の研究 キャロル・S・ドゥエック (著) |
キャロル・S・ドゥエック教授(スタンフォード大学)によると、マインドセットは「グロースマインドセット(成長型)」と「フィックストマインドセット(固定型)」の2種類に大別できるとされています。成長型は「自分の能力は努力次第で成長させることができる」という考え方、固定型は「能力はもともと決められており変わらない」という考え方です。
成長型は、失敗をしたときに失敗したという事実をストレートに受け止め、問題解決に取り組みます。これに対して、固定型は自分の失敗から目をそらし、自己防衛する傾で向があります(他者のせいにしたり、そもそも失敗しないようなことしかしなかったり)。
人間は行動の95%を無意識に行っていると考えられていて、マインドセットが個人の行動に与える影響は大きいとされています。
成長型は、「努力によって成長をしていける」と無意識レベルで感じています。能力は努力次第で成長させることができるというマインドセットが、挑戦する行動を生み出し、粘り強く努力する姿勢をつくります。
固定型は、停滞型ともいわれる硬直思考で、努力を重ねたとしても能力は変わらないと無意識レベルで感じています。失敗することを恐れるため、新しいことに挑戦しようとしません。
さて、マインドセットを成長型に変えていくための手順ですが、
①目標の言語化
自分の目標・ビジョン(将来の「ありたい姿)を言語化してイメージを明確にします。達成期限を決めて、それなりに具体化しておきます。
②言語化したことをノートに書く
毎日の振り返りをするために、日記的な記録を残します。SNSに「今日の努力メモ」的に残すと、自分を推してくれる人たちが喜んでくれます。その日に何をやったかの記録をのこすことで、後々、改善すべき点を考える資料になります。
③行動化
実際に行動に移します。妄想ばかりしていてもマインドセットは変わりにくいので、実体験を積み重ねる必要があります。
④フィードバック(振り返り)
行動化したら、必ずフィードバックを行います。周りの人に協力を得て、他者目線・第三者目線での意見をもらうようにします。ありがちなのですが、失敗を恐れるが故に「失敗を指摘してくる人」を避けて、自分をヨイショしてくれる人たち(イエスマン)で自分のまわりを固めてしまうことがあります。文字通り、固定・停滞してしまいます。下手をすると、おかしな方向に突っ走ることになったりもします。
⑤軌道修正
フィードバックを元に軌道修正をします。
こんな感じで①~⑤を繰り返していると、思考が成長型に変換されていき、隠された能力が発揮できるようになります。
厄介だなあって何時も思うのですが、フィードバックなしに行動化を繰り返すうちに、本人の中で認知の歪みが強化され、「やりたいけど、やらない方がいいこと」をループするようになりがちです。本人的には「自分の思い通りに展開している」と感じているので、軌道修正ができません。
本当の意味で楽しく生きていくためには、失敗を積み重ねながら軌道修正を繰り返すことが重要だと思います。