図解 関節・運動器の機能解剖 上肢脊柱編 共同医書出版社 より引用します。
4-5 環軸関節は、頸椎の回旋運動を完全にし、補正する。
4-5-1 解剖学的構築は、回旋運動を保持できるように構成されている。
環軸関節は、地ならし用のローラーを連想させる。これは、密接に連結された2つの関節によって構成されている。
正中環軸関節は、歯突起と環椎前弓を結合している。
軸椎(C2)の歯突起は、環椎(C1)の前弓後面と、環椎外側塊の間に張られた横靱帯とにより形成される骨繊維の輪の中で、堅固に保持されている。
このように、堅固で鞘に包まれた歯突起は、回旋軸の保持と、C2上でのC1の前後方向と横方向の安定性を確保する、垂直軸である。
歯突起の固定は、2つの大きな翼状靱帯によって補強される。これらの靱帯は、その緊張により、環椎または軸椎の回旋運動を制限している。
4-5-1 環軸関節 |
外側環軸関節は、環椎(C1)の外側塊を軸椎(C2)の上関節突起に結合している。
その関節面はほぼ平面で、ごく軽度前方から後方へ凸状を呈している。
4-5-2 環軸関節は、2種類の回旋を可能にしている。
可能なのは回旋運動だけでなく、数度(10~20°)の側屈と屈曲-伸展も可能である。しかし、環軸関節の本質的な機能的役割は、大きな回旋運動を可能にすることである。
環椎は、軸椎上で歯突起軸のまわりを回転する。
以下の2種類の回旋が可能であることを理解しなければならない。
- すなわち、正中環軸関節面の滑走によって、歯突起を中心とした円を描く回旋(C1とC2は互いに逆方向へ円弧を描きながら回旋する)。たとえば、昔の穀物用ひき臼の回旋と同じである。
- 左右の外側環軸関節の一方で滑走がおこり、他方では滑走がまったくおこらないことによる回旋、運動の中心は固定された側の関節にある。環椎横靱帯がある程度の弾力性をもち、またが外側環軸関節が(わずかな大きさの)屈曲ー伸展や側屈運動を可能にしているので、歯突起は移動可能となる。
4-5-3 関節機構は、回旋運動をすべての方向にさまざまな範囲で可能にしている。
このことは、頸椎の回旋と側屈の多種の組み合わせを可能にしている。たとえば頸椎が右に傾く運動では、右方向への回旋を伴っている。すなわち;
環軸関節における回旋が同方向になされる場合、顎を肩につけることができる。なぜなら、回旋に側屈が加えられるからである。
環軸関節における回旋が逆方向になされる場合、
- この《逆回旋》運動がさほど大きくないときは、(頭部を回旋させることなく)頸部を傾けて前方を直接見ることができる。
- この《逆回旋》運動が大きいときは、頸部を右に傾けながら頭部を左の方に回して、空を見ることができる。
このように、回旋と側屈運動の組み合わせは多数ある。
4-5-3 頸椎の側屈ー回旋運動 |
引用ここまで
首が回らない原因のひとつに、姿勢が悪いことがあります。巻き肩・猫背といった不良姿勢が原因で頭の位置が前方突出すると、上部頸椎部に過剰な筋緊張が生じます。上部頸椎部の環軸関節が機能しなくなるために、首がまわらないということになります。
ボディローラーミニで首を伸ばすとき、下図のマップが役に立つと思います。
『経穴マップ』医歯薬出版 より |
4月のワークショップで解説しています。
☆東京ワークショップ
4月7・8・9 日(金・土・日)→ 詳細
☆新宮校ワークショップ(平日全日)
4月17日(月) → 詳細
☆大阪ワークショップ
4月20日(木)→ 詳細
☆名古屋ワークショップ
4月21日(金)→ 詳細
☆神戸ワークショップ
4月22日(土)→ 詳細
☆新宮校ワークショップ(休日)
4月23日(日)→ 詳細