頭長筋 |
起始:頸椎3番~頸椎6番の横突起
停止:後頭骨底の下面
作用:頭部と頚部の屈曲(両側の活動)、頭部と頚部の同側への側屈(片側の活動)
頚長筋と同様に、頭長筋は舌骨、舌骨上筋、気管、食道の深部に位置します。頚長筋と比較してさらに上部に位置し、斜め方向に走行します。中位頚椎の横突起と後頭骨を連結します。この斜め方向の筋繊維により、側屈に有利に働きます。さらに、頭長筋は後頭骨に付着する筋群の1つであり、環椎後頭関節の位置や動きに影響を与えます。
頭長筋も頚長筋と同様に、椎前筋群の1つです。この筋群は頚部前方の安定を補助し、後屈を防ぎます。
※参考文献 「ヴィジュアル機能解剖学 南江堂」
頭長筋の弱化が頭部前方位姿勢の原因になることがあります。頭長筋は後頭骨の基底部に停止おり、上位頚椎が過伸展位になるのを防いでいます。環椎後頭関節を屈曲させるように「うなずく」ことで、頭長筋が覚醒します。後頭下筋群を伸ばすようなイメージになります。前頭直筋と共動させると効果的です。頭長筋が収縮すると、後頭骨前部が後下方に引かれます。首を動かさずに頭だけでうなずく動作が可能になります。
参考記事 → 前頭直筋と後頭下筋群の柔軟性と筋力のバランス不良は、頭痛や認知障害、痛みを引き起こす可能性があります。うなずき運動が重要です。
後頭下筋群下筋群と前頭直筋 |
下を向いてばかりいると、頭長筋が柔軟性を失って固まり、後頭骨の位置が狂い蝶形骨にストレスがかかります。感覚の機能・脳の機能が低下することになります。視えづらくなり、眼瞼下垂し、目が乾き、顔の皮膚がたるみます。筋力と柔軟性のバランスをとることが大切です。