2017年7月5日水曜日

歯石の除去と正しい歯磨きが、姿勢と動作の改善につながります。プラークを除去することが大切です。

最近、関係者に「歯石の除去」を奨めています。

信頼のおける歯科医師に相談し、歯周病について学んでもらっています。

もちろん、正しい歯磨き(ブラッシング)技術の習得も。

結果、さまざまな身体症状の改善とともに、姿勢や動きが改善しています。


ちなみに、日本人の80%は歯周病だそうです。

正しい歯磨きをマスターできれば、未来が明るくなります。


プラーク(歯垢)は48時間で歯石化

歯石とはなんでしょう?

唾液の中のカルシウムやリンなどのミネラル成分とプラーク(細菌の塊)が結びついたものです。

歯は、食事の度に脱灰(だっかい)します。

歯の表面のミネラル成分(カルシウムやリンなど)が溶け出すのです。

その後、唾液中にあるミネラル成分によって再石灰化(さいせっかいか)します。

この働きで虫歯にならずに済むわけですが、ここで問題が発生します。


口内にプラークが残っていると、わずか48時間で歯石になってしまうのです。


構造的には、軽石のように小さな穴があいています。

穴の中には歯周病菌が繁殖します。

歯周病は毒素を出して、歯茎を腫らせ、歯の周りの骨を溶かします。

歯石の中の細菌は、歯磨きではとれません。

なので、歯石ごと歯周病菌を除去する必要があります。

歯石と歯周病

歯周病は、歯と歯茎を崩壊させるだけではありません。

さまざまな合併症を引き起こします。

心臓病、脳卒中、慢性腎疾患、肺炎、骨粗しょう症、糖尿病、癌、早産……

歯周病菌の本当の恐ろしさを知れば、歯石を除去したくなるはずです。


かといって、歯石だけとって歯磨きをしなかったら大変なことになります。

実は、最優先させるべきは、日々のプラークの除去です。

プラークは24時間でつくられます。

食後は、可及的速やかに歯磨きをする必要があるのです。


もし、24時間以内にプラークを除去できなければ、48時間で歯石になります。

プラークを除去できるブラッシングテクニックをマスターしなければなりません。

加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを使いこなせるようにならなければなりません。

自力で、虫歯菌と歯周病菌の細菌レベルを下げれる人間になることが大切なのです。


正しい歯磨き技術の習得と歯石の除去は、奇跡を起こします。


歯に歯石が付くと表面はザラザラし、プラーク(歯垢)がつきやすくなります。

歯石の上の歯垢は歯磨きをしても取りにくいのです。

歯石除去後に、リナメルトリートメントしてもらうといいでしょう。

歯の表面の傷が修復するため、表面がスベスベになって歯石が付きにくくなります。


もうひとつの問題は、歯茎や歯周ポケット内に出血がある場合に生じます。

血液を材料に、歯石ができてしまうのです。

出血のない健全な歯茎を維持しなければなりません。

すでに出血がある場合は、信頼のできる歯科医師に相談しましょう。


歯周病になると歯茎の腫れや出血だけでなく、口臭がきつくなります。

歯茎の中の歯石は、強い口臭を発生させます。

溜まった歯垢は発酵し、ガスを発生させるからです。

歯茎から出血した血の匂いの血生臭さと合わさって、大変なことになります。


歯周病菌がついた歯石は、異物と認識されます。

なので、歯石が溜まると、歯茎に炎症細胞(白血球など)が集まります。

結果、歯茎が腫れます。

腫れた歯茎から出る浸出液によって口臭が悪化します。


さらに進むと、膿が出てきます。

膿は臭いです。

歯槽膿漏状態です。

骨が溶けて歯が抜けてしまうことにもつながります。


冷静に考えてみましょう。

そんな歯茎で、姿勢や動作の制御ができるでしょうか?

プラークまみれ、歯石だらけの運動指導者を観察してみれば、10秒でわかります。

正しい歯磨きと歯石の除去の大切さが。



いつも唾液の大切さを語っていますが、プラークが除去できてなければ諸刃の剣です。

そのあたりのことも、今月は丁寧に解説したいと思います。


詳細は、7月9日(日)の薬院校集中講座と、7月15日(土)の神戸集中講座と、7月22・23日(土・日)の東京集中講座と、7月30日(日)の下関集中講座で。