今日は、GW集中講座最終日です。本日のテーマは「ほんとうの意味でやわらかい身体をつくる」です。
フォームローラーを用いた開脚 |
圧迫伸長法と呼ばれるテクニックにて、運動機能とともに触感もいい筋肉を育てます。
広背筋の圧迫伸長法(腋下) |
やわらかくしたい筋肉の作用に拮抗する筋肉を収縮させて、筋長を伸ばしながら圧迫を加えていきます。相反抑制を用いるため、機能解剖学が頭に入っていないと効果がありません。武術系の動きもそうですが、見た目はどんどん地味になっていくため、派手なパフォーマンスが好きな人たちには全くウケません。姿勢と呼吸を整えることが、ほんとうの意味での身体のやわらかさにつながっていきます。
姿勢が整っているということは、全身から無駄なりきみが抜け、必要な力が満ち満ちているということです。この世の構造として、自身の姿勢と呼吸が自分の世界に影響を与え、そしてその影響に対する反応によって、現在の自分の環境がつくられていきます。身体が固まっていると思考も硬直し、自分の思い通りに周りを動かそうとして不満を募らせる日々を過ごすことになります。
武術でいうところの「起こり」、いわゆる「予備動作」をなくしていくことが、結果的に身体をやわらかくし、相手を思い通りに動かそうとするのではなく、自分自身の身体を思い通りに動かすことで結果的に周りの世界ごと整っていくことにつながります。この世においては類友の法則(自分の姿勢と、同じ姿勢の集まってくる)が働く仕組みになっています。目の前にいる人たちは、自分によく似たお似合いの「丁度よい人」だということです。
家族においても、仕事においても、趣味においても、商取引においても、自分の姿勢と呼吸の在り様に応じた人たちとつながることになります。いつもいつも自分の家族や職場や商取引の相手に対する不平不満ばかり並べて、上から目線で「そういうとこやぞ」という姿勢をとっている人たちの身体は総じて中心軸をつくれず不安定で硬直しているものです。身体が硬直すると、カチカチに固まるか、グニャグニャに抜けてしまうことになります。いずれの場合も動きの自由自在性を失い、善悪論に囚われることになるため生きるのが辛くなります。世の中は妄想でできていない現実ですから、歯車が狂い続けることになります。
歪んだ思考と索状硬結化した筋肉は、精神と肉体のつながりをよくあらわしていると思います。今日の集中講座の小話は、姿勢について語りたいと思います。