坐骨神経痛のような脚の痛み・しびれが、股関節の小臀筋の機能異常によってあらわれることがあります。うまく歩けず足をひきずるような動き(跛行)となったり、よく眠れずに中途覚醒に陥り睡眠障害を招くこともあります。安部塾では、小臀筋筋線維は大腿骨頸部と平行に走行しています。骨頭を求心位に保持させており、股関節の安定性に寄与していると考えられます。安部塾では、「股関節をハメる筋」として重要視しております。
小臀筋 |
起始:前臀筋粗線と後臀筋粗線の間、腸骨外側面
停止:大腿骨大転子の前縁
作用:股関節の外転、内旋、軽度屈曲
小臀筋は、中臀筋の前方よりの深層に位置します。小臀筋と中臀筋の主な機能は股関節の外転です。また、小臀筋の起始が腸骨の前方にあり、停止が大腿骨大転子にあることから、股関節を軽度屈曲、および内旋することもできる。小臀筋は肩関節の三角筋の前部と類似している。
※参考文献 「ビジュアル機能解剖学 南江堂」
腰方形筋の短縮硬化を放置したままにしていると、小臀筋に痛みが生じることがあります。前記事でも書きましたが、小臀筋と腰方形筋・中臀筋は、ひとつのユニットとしてはたらき、股関節に安定をもたらします。小臀筋は、歩行時に殿筋群の中で最も働いています。
腸腰筋による脚の振りあげ運動と、臀筋群における振り戻し運動によって、人は前に進むことができます。腸腰筋の機能不全は「一歩目が踏み出せない」という現実につながりやすくなり、臀筋群の機能不全は「継続できない」という現実につながりやすくなるという説があります。現実生活が脚を引き摺るような動きをすることになる可能性が高くなるという考え方なのですが、私も、相関関係があるように思います。
安部塾の側臥位(横向き)のワークは、小臀筋の筋力トレーニングとストレッチングを重要視しておこなっております。