2020年11月17日火曜日

首を楽にして、全身を整える~額(ひたい)を前方に出しながら頭頂を上にもっていく~頭と顔面について

 頭と顔面を混同していると、身体操作を誤ってしまいがちです。

脳頭蓋と顔面(内臓頭蓋)

頭蓋骨中心からおろした重力線は、全身の重力線よりも前方にあります。頭蓋骨重力線は、環椎後頭関節(乳様突起の奥)よりも前にあります。なので、頭は自然に「うなずく」ような構造になっています。

脳頭蓋と顔面(内臓頭蓋)

脊柱を長く伸ばそうとして、頭頂部を上にもっていかずに顎(あご)を引くとつぶれてしまい、結果的に脊柱が短くなってしまいます。乳様突起の奥を軸にしてうなずきながら、重力によって顎を引き、頭頂を上にもっていくと脊柱が長く伸びるはずです。呼吸がもっとも楽になる頭の位置が、頭が脊柱でバランスを保てる位置だと考えていいと思います。

ここで大切なのは、目(眼球)より上が頭、目より下が顔面だという感じ方です。「頭を前へ」と聞いて、顔面を前に出してしまうと首の後ろが緊張して詰まってしまいます。全身の筋活動が以上に高まり、りきみが生じて固まってしまいます。機能構造的に不安定な上に全身が短縮硬化するという状況に陥ってしまいます。

これに対し、脳頭蓋を前に出せば、過剰な筋活動が起きません。動きがとても楽に、そして美しくなります。頸部筋群(首の筋肉)の緊張が高まらないように保ち続けることが大切だと思います。