2020年9月29日火曜日

疲れやすく、各臓器の働きがよくないのは呼吸が浅いからかもしれません。息を吐き切らずにすぐに吸ってしまうと、じゅうぶんに息を吸えなくなります。

疲れやすい人たちのお話を伺ってみると、血流が悪くむくみやすいということが多いです。代謝が悪く臓器の働きもよくないようです。呼吸が浅いことで、酸素と二酸化炭素のガス交換効率が悪化しているように見えます。呼吸が浅いとストレスに弱くなり、不安を感じやすくなり心身の不調に悩まされるようになるようです。

呼吸をするとき、肺がはいっている肋骨の籠(かご)である胸郭の周りにある呼吸筋が収縮します。呼吸筋は姿勢保持筋の機能低下による姿勢維持機能の崩壊や加齢によって硬くなる傾向があります。深くゆったりした呼吸をするためには、やわらかさを取り戻す必要があります。

安部塾では、吸う筋肉の機能改善のためには背筋を伸ばすというスタンスをとります。鼻からゆっくりと息を吸いながら腰から背中にかけて丸めて伸ばしていきます。吸いきったら、口からゆっくりと吐きながら元の姿勢に戻ります。

吐く筋肉の機能改善のためには、胸壁(きょうへき)を伸ばすというスタンスをとります。鼻からゆっくりと息を吸い、吸いきったら、口からゆっくり吐きながら、両手を後ろへ、そして下へ伸ばしていきます。吐ききったら、ゆっくりと吸いながら元の姿勢に戻ります。


呼吸の改善

練習時は、横隔膜と肺の位置をイメージします。

横隔膜と肺

肺は、思ったより上に、そして外側にあります。真ん中に心臓があるからです。

横隔膜と心臓と肺

息苦しかったり、息が吸えない感じがするときは過換気症候群の場合もあります。その場合は、口をすぼめて吐き出す呼吸をおこない気持ちを落ち着かせるのがよいとされます。鼻から吸って、口をすぼめた状態で長く息を吐く「口すぼめ呼吸」です。吸うときの2倍の時間をかけて吐くのがコツです。

息を吐き切らずにすぐに吸ってしまうと、じゅうぶんに息を吸えなくなります。安部塾では、呼吸と動作を同期させ吐き切る練習に時間をかけます。ポイントは「胸骨の動き」となります。吐くときに、胸骨は脊柱に近づいていきます。呼吸が浅い人を観察してみるとすぐにわかりますが、胸骨が動きません。

胸骨の動き(吐く)

冒頭で紹介した安部塾の呼吸改善の考え方は、このあたりのことを理解していくと役に立つかと思います。