8月21・22・23日(金・土・日)の東京集中講座は、美術解剖学的な視点を取り入れた姿勢のつくり方や動きについて解説いたします。加えて、安部塾コアプログラムに沿って、身体を動かしていきます。私がお伝えしている身体操作技法の内容は、10年前から変わっておりません。当初の頃に比べ、より地味になり続けており、『楊枝(ようじ)で、重箱の隅をほじくる』ような感じになっております。通常、非常に細かいことまで問題にして口うるさく言うことは否定されております。しかし、身体操作技法に関しては、些細な点まで干渉することが大切だと考えております。
この世に生を受けて数十年間にわたり染みついた動きを変えていくというのは、簡単なことではありません。人体にはホメオスタシス(恒常性。その内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向)があるため、たとえ自身に対して有害な姿勢や動きであっても、その姿勢や動きを保ち続けようとしてしまいます。ダイエットが成功せずリバウンドする現象がわかりやすいかと思います。
『何回言っても行動が変わらない人=本気で変わる気がない人』
ほとんどの身体操作指導者が、現場デビュー後すぐに感じることだと思います。良くない結果にしかならないことがわかりきっているにもかかわらず、良くない方法を続けていきます。当然のことですが、行動を変えずにこれまでと違う結果を得ることは、ほとんどできません。本気で変わる気がない理由は、本気で変わらなければいけない理由がないからなのだと思います。
これも当たり前のことですが、本人が本気で変わらなければならないと気がつけば、すぐに変わります。自分を変えていけるのは自分の思いだけなのですから。どんなに優れた方法論であっても、自分がそれを心から受けいれていかなければ、良い結果にはつながりません。他者がどうこうできる問題ではないのです。自分が本気で変わろうとしなければ、変われるはずがありません。
どんな身体操作指導者も、変わる気がない人に対してやれることは何もありません。そして、「変わって欲しい」と願うのは、身体操作指導者のエゴイズムでしかありません。できることは、いま現在の自分にできる最高水準のプログラムを用意して、本気で取り組んでくれるのを待つということだけです。取り組んでくれるのであれば、『楊枝(ようじ)で、重箱の隅をほじくり返す』スタイルを全開にしていけます。アクセルペダルを床まで踏み込める相手に出会えるのは、しあわせなことだと思います。
現在の自分の姿勢と動きをつくり出しているのは自分です。他の誰でもありません。行動を変えるためには、思考を変えなければなりません。そのハードルは高いかもしれませんが、腹を括ることができれば、怒涛の勢いで人は変わります。いままで、超高速で変わっていく人たちを沢山見てきましたが、みな異常ともいえる本気の取り組みをされておられました。
よく言われる、変わらない人の特徴があります。
①はじめからできないと諦めている。
②すぐ結果が出ないと、行動をやめてしまう。
③具体的な目標がない。
④習慣化できない。
……結果、「行動化」が安定しないため、結果につながりません。
コアプログラムをまとめながら、「すぐに結果は出ないし、習慣化できないと意味ないし、はなから諦めている人はやらないだろうけど、まずは自らが行動をしないと物語は始まらないよな」と思いました。他者を変えるためでなく、自分が変わるためのプログラムという認識で、安部塾コアプログラムをまとめております。これから現場で使う中で改善を加えながら育てていきたいと思います。