首と肩 |
首は酷使されやすい部位です。首の筋肉には、「首の柔軟性を確保する」「頸椎を保護する筋力を確保する」という機能があります。頭部は重いため、首の筋肉の柔軟性と筋力の両方が不可欠だということになります。頸椎は可動性が高くて小さく、容易に損傷してしまいやすい構造になっています。
雑で不適切なストレッチングや、過剰なストレッチングは、かえって首の筋肉の頸椎保護機能の低下をもたらしてしまいます。結果的に頸椎を損傷してしまう人も多いのです。丁寧で適切なストレッチングを正確におこなう必要があります。頸椎の損傷を招かないように制御して首の筋肉をストレッチすることをおすすめいたします。
肩の痛みは、程度の差はあっても、肩の安定筋である回旋筋腱板(ローテーターカフ)の問題から生じることが多いと思います。回旋筋腱板には、肩の関節を包み込んで適切な位置に保ってくれる機能があります。肩を保護する4つの筋肉は、比較的小さな筋肉なので、損傷しやすいのです。特に、棘下筋は酷使されやすいために損傷の可能性が高くなりがちです。
肩の痛みを予防するためには、肩の安定性を維持し、肩の運動を支える筋肉(肩後面・棘下筋・下部僧帽筋)の筋肉を引き締めるのが基本となります。肩甲上腕関節の過剰な柔軟性は、特に筋力を求められる動きでは剛性を得ることが難しくなり、パワーの発揮が困難になることがあります。ある程度の硬さ=安定性が必要なのです。上腕二頭筋長頭腱は柔軟性が高くなりにくい分子構造をしており耐摩耗性が高くなっています。このため過剰なストレッチングによって損傷しやすくなります。また、肩そのものが不安定になると、ちょっとしたことで亜脱臼してしまいやすくなります。