2019年11月29日金曜日

身体をていねいに使う和の身体操作技法~正しい立ち方・座り方・お辞儀・足運び・廻る……

里神楽などに伝わる和の舞(まひ)は、『歩く芸術』と評価されています。力を漏らす動きは排除さ、動作のひとつひとつが磨きあげられ洗練されています。力(りき)みや重みがなく、動作から動作へのつなぎが円滑です。身体を丁寧に使うという和の身体操作技法は、日常生活を豊かにしてくれます。身体操作能力は、直接的に思考に影響を与えます。なので、正しい姿勢と動きを学ぶことが重要だと思います。

御嶽神楽

和の身体操作技法を機能的に分解してみましょう。
①仙骨前方にある重心を操作して、安定と動きを生み出す。
②腰の極め方で動きを制御する。
③脊柱の前面の軸を操作し、脚の内側につなげる。
④後頭部で天を突きあげ、あごは落とす。
⑤足底の3点を意識して、すべるように動く。
他にも、いろいろありますが、正しい姿勢のつくり方が、洋式と和式ではまったく違います。

様式では、左右に素早く動きたいとき、動く方向とは逆側の足で地面を蹴ろうとします。和式では、動く方向側の足の股関節回旋力で反対側の半身ごと引きつけるようにして逆側の足をもってきます。逆側の足で地を蹴るのではなく、動く方向側のひざを抜きます。身体に無理がかからないので、ケガや故障を避けることができます。

11月は大臀筋をパワーハウスとして使う=股関節で力を生み出すという学びをしましたが、全身をリラックスさせて立ち、左右どちらかの股関節で逆側の足を引き寄せる和の動きとの絡みが理解できると、驚異的に動きがよくなります。表層コアと深層コアの解説でも強調しましたが、股関節の動きを理解することが鍵となります。

ここ15年くらい、和の動きや深層筋(インナーマッスル)の静かなブームが続いています。舞を学んでみると、「歩く(足を運ぶ)」ということの難しさがよくわかります。

12月の安部塾の講座は、和の身体操作技法の解説をしていきます。

12月7日(土)→ 新宮校集中講座
12月8日(日)→ 下関集中講座
12月13・14・15日(金・土・日)→ 東京集中講座
12月21日(土)→ 神戸集中講座
12月26日(木)→ 大阪集中講座
12月28・29・30日→ 年末集中講座
1月3・4・5日→ 年始集中講座

怒涛の勢いです(笑)。御参加、お待ちしております。