歯根膜の話もした方がいいかなと、思案中です。
歯根膜 |
歯と歯肉のしくみとはたらきより
●歯根膜(しこんまく)
歯根膜は、歯の表面にあるセメント質と歯槽骨を結ぶ組織で、幅は0.15~0.38mmと非常に薄いのですが、支持、栄養、恒常性、再生というたいへん重要なはたらきをもっています。
歯根膜は骨膜(こつまく)と同様、骨やセメント質などの硬い組織をつくります。また、歯根膜組織の中には、非常にたくさんのコラーゲン線維があります。これによって、歯に加わった力を受け止め、まわりの歯槽骨に伝えて力を分散させるわけです。歯根膜のコラーゲン線維は、つくられてから消えてなくなるまでの時間が非常に短いのが特徴です。
矯正治療(きょうせいちりょう)によって歯が動くのは、歯根膜のコラーゲン線維の代謝が活発であることと関係があります。歯が生えてくるときにも、歯根膜は重要なはたらきをしています。歯周病(ししゅうびょう)(「歯周病(歯槽膿漏)」)の治療によって歯周組織が元にもどるかどうかも、歯根膜の組織にかかっています。最近は、歯の移植・再植なども行なわれるようになってきましたが、この場合も重要なのは歯根膜です。
歯根膜は、セメント質と同様、哺乳類(ほにゅうるい)にしかみられない組織です。例外的に爬虫類(はちゅうるい)のワニにみられますが、ワニ以外の爬虫類や、さらに下等な動物では歯の象牙質が直接、骨についています。このように歯根膜は、進化した哺乳類にしかみられない組織なのです。
歯と歯根膜の関係は、歯根膜のコラーゲン線維が歯槽(歯がおさまっている骨の穴)の中で、歯をつっているような状態にあります。食物をかむことによって歯に力が加わると、歯根膜線維は引っ張られ、また多量の水分を含んだ歯根膜中の基質や血管内の血液がクッションの役目をして、歯を歯槽の中に支持することができるのです。
歯根膜には、直径1~14μm(マイクロメートル)(1μmは1000分の1mm)の神経線維が分布しています。神経のはしには歯根膜受容器があり、歯根膜線維と結合したり直接接触したりしています。歯を動揺させると、歯根膜が圧迫されたり引っ張られたりして、歯根膜受容器を刺激します。歯根膜には、このような固有の感覚機能が備わっているため、比較的大きな力が歯に加わっても対応でき、逆に非常に微細な力が加わっても、これを探知できるのです。これが歯根膜の知覚のはたらきをつかさどっているのです。
歯根膜中の細胞や骨の表層にある骨芽細胞にとって必要な栄養分は、歯根膜に分布する血管によって供給されています。歯根膜をとってしまうと、その下にある骨芽細胞やセメント芽細胞は死んでしまいます。また、強い矯正力を歯に加えると、歯根膜の血管が圧迫されてふさがり、その血管から栄養分を補給されていた部分の組織が死ぬことになります。
歯根膜は常に一定の幅を維持するはたらきがあり、これを歯根膜の恒常性といいます。このようなはたらきをするためには、歯根膜に幅センサーが存在し、歯根膜の細胞に、骨やセメント質や歯根膜をつくる能力が備わっていなければなりません。
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歯根膜より
機能
・歯の植立作用および緩圧作用:歯根膜の緩圧作用には血液、リンパ液、組織液の流体系も関与する。
・歯の感覚の発現:触・圧・痛覚受容器、固有受容器が存在することにより、歯の触・圧覚、歯根膜痛、固有感覚を発現させるという説もあるが、これにはエビデンスがない。因みに、多数のインプラントと天然歯の混合歯列弓となった患者にその差異を聞くと、ほとんどの場合、インプラントと天然歯の区別が自覚的には分からないと答える。
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歯科領域の話なのですが、体感的に姿勢制御に関与していると思われます。
格闘技の世界ではマウスピースを嚙むのですが、噛まない場合と比較するとよくわかります。
エビデンスはありませんが(笑)。
なので、当日は体験談としてお話したいと思います。
歯の機能と脳機能の連動についての研究はたくさんあります。
歯と舌がシンクロすることで、自然と姿勢が正しくなります。
続きは4月30日の集中講座で。